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いざ小説を書く時、まずは登場人物やキャラクターの名前を考えますよね。でも、いざ名前をつけようとしても、結構悩んでしまうもの。
私も悩みます。
覚えやすいインパクトのある名前、どこにでもあるような名前、名は体を表すような名前……さまざまです。
そこで、名前を決める時に私なりに気をつけていることがいくつかありますので、具体的なつけ方を説明していきます。
現役小説家として、そして応募時代から実践している方法ですので、これから新人賞を目指すという方にも有効でしょう。
また、小説だけではなく、漫画や脚本……のようにキャラクターが登場する創作物にも使えますので、参考にしてみてくださいね。
では、さっそく説明していきます!
1.平易な漢字を使う
最初に意識しているのはこちら。
なぜなら、「読者は文章を読むとき、ちょっとしたことにストレスを感じる」という前提があるからです。
受け身となる映像作品と違い、読書は能動的な行為ですから、その傾向はより顕著になります。
ストレスなくスムーズに読ませる。そういう狙いを込めて、本文中はもちろん、人名にも難解な漢字は使わないようにしています。
ただ、あえて難解な漢字を当てることでインパクトを与えるという狙いもあるでしょう。その場合、ふりがなは頻繁に振っておくと良いでしょう。
2.人物ごとに異なる文字を使う
たとえば、
山田、太田、藤田、織田、和田…
といったように、「田」で終わる人物を作ったら、他の人物には「田」という文字を使わないようにします。
なぜなら、登場人物の区別がしにくくなるからです。
もちろん家族や親族の場合は同じ名字になるので、その場合は使います。ただし呼び方は下の名前や肩書きをつける等、区別がつきやすくする必要があります。
可能なら、「田中」「田上」「田代」のように、「田」で始まる人物の使用も避けています。
できるだけ同じ文字を重複させない。
これだけでも登場人物の区別がつきやすくなります。
このあたり、プロ作家でも気にしない作品がありますが、私は常に意識しています。
先に記したように親族、または名字に何らかの意図があるなら別です。
3.読み方が一通りしかないものにする
細かいのですが、たとえば、
・浜崎(はまさき、はまざき)
・東(ひがし、あずま)
・剛(つよし、たけし、ごう)
・幸子(さちこ、ゆきこ)
等、読み方が複数想定される場合は避けています。
初登場時にふりがなを振れば良いですが、やはりすぐに忘れちゃうかもしれません。自分もそうなのですが、読者は案外忘れやすいです。
そのため、何らかの特別な理由がなければ、「読み方が一通りしかない名字・名前」にしています。
4.肩書きを都度つける
キャラクターの初登場時にその人の立場・職業等を書くことが多いですが、主役とヒロインを除き、適宜「どんな立場(肩書き)か」を繰り返し記載してみましょう。
登場シーンが多くない人物は、次に登場した時に「この人、どんな人だったっけ?」となりがちです。
・営業部長の鈴木
・弁護士の飯田
・書店員の山下
こんな感じですね。
二度目以降にも、その人がどういう人かをおさらいする意味で肩書きをつけておくことで、「ああ、あの人だ」と思い出してもらえる確率が高くなります。
台詞、地の文、心理描写等、適宜工夫して表現しましょう。
ただ、数多く登場する人物にその都度つけるとしつこいので、そういう場合は初登場時と2、3回目程度に留めておきましょう。
5.異なる文字数の名字、名前にする
一般的に名字や名前に使う文字数は2文字が多く、1文字か3文字。長くて4文字でしょうか。
私は2文字をメインにしながら、1文字と3文字のキャラクターをバランス良く配置しています。
変化をつけることで、読者の記憶に残りやすくするためにしています。4文字はかなりインパクトがあるので、よほどではないと使いません。
また名前は漢字、平仮名、片仮名があります。漢字が多いですが、1人はひらがなの名前(女性が多め)を入れています。
片仮名はあまり使いませんが、できれば主要人物に使いたいところです。外国人にも使いますが、外国人の名前は覚えづらいので、登場しても1人~3人程度が良いでしょうか。
6.主要人物と脇役
キャラクターは主人公、ヒロイン、数名の主要人物の他に、脇役が多く登場します。
読者の記憶に残りやすくするため、主要人物は覚えやすくインパクトのある名字、名前にすると良いでしょう。
脇役の場合は、特にチョイ役として数シーンしか登場しないのであれば、凝った名前にする必要はありません。
また、一瞬しか登場シーンがないなら、「名前はなし」にする場合が多いです。「年輩の刑事」とか「銀行の窓口の女性」等。省ける人物名を省くことで、スムーズに読むことができるようになります。
ただし主要人物にもあえてありふれた名字を入れることで記憶に残る場合もありますから、全体のバランスを見て決めましょう。
7.キャラクターの一覧表を作成する
個別のキャラクター設定とは別に、肩書きを含めた一覧表も作成すると、混乱しなくて良いでしょう。これは本文とは別に、書く時の参照用として作成します。
一覧にすることで、名字や名前の文字かぶり、全体バランスを見ています。
案外見落としていたり、似たような名前をつけてしまっていることもあるので、一覧で確認することをオススメします。
「名前の付け方」の具体的方法
それでは実際にどうやって名前を考えているか紹介しましょう。
地名、人名から付ける
名字は地名が由来になっているものが多いので、思いつく地名を名字にしてみてもいいです。
また、地図サイトを適当に眺めながら、良さそうな地名を発見しています。
人名から付ける
そこそこ名の知れた歴史上の人物や著名人の名字や名前も良いでしょう。
ただ、メジャーすぎるとその人物の印象が強くなるので避けた方が無難。
名前付けサイト、名前検索サイトを使う
このサイトはよく使っています。名字と名前を性別別にランダム生成してくれます。名字や名前の文字数、「珍しさ」の指定ができるので、かゆいところに手が届く便利さです。
下の名前が決まらない場合は子供の名付けサイトも良いでしょう。
西洋風の名前をつけたい場合はこちら。
まとめ
- 平易な漢字を使う
- 人物ごとに異なる文字を使う
- 読み方が一通りしかないものにする
- 肩書きを都度つける
- 異なる文字数の名字、名前にする
- 主要人物と脇役
- キャラクターの一覧表を作成する
・地名から付ける
・人名から付ける
・名前付けサイトを使う
まとめると以上になります。
私が気をつけている点を紹介しましたが、これだけでも読者にストレスなく読んでもらえる可能性が高くなるでしょう。
それでは、頑張って良い作品を創作しましょう!
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