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小説の書き方を解説した本を読んだだけで、デビューできた方はほとんどいないでしょう。
必要なことは実践のみ、とにかく書きまくるしかデビューへの道はありません。私も数年間、毎日書き続けていました。
しかし、たくさん書くことによって、「この本はこういうことが言いたいのか」「ここは気づいていなかった」というような点を、本から読み取ることができるようになります。
小説の書き方本は特効薬ではありませんが、何らかの「気づき」を与えてくれる処方箋のようなものです。
私もデビュー前(デビューした後も)に何冊かこうした本を読み、得ることも多かったので、読んでみて「役に立った」と感じた本を紹介いたします!
「小説の書き方本」初心者向け4選
これから小説を書き始めようとする初心者から、実際に新人賞に応募して予選を通過している方、さらには最終候補に残ったことがあるという方……さまざまかと思いますので、段階別に紹介していきます。
まずは初心者向けからいきましょう。
1.『「物語」のつくり方入門 7つのレッスン』(2012/円山夢久)
初心者向け
どんな物語を書きたいですか?
作家が教える、もっともやさしい創作の基礎。
大きく「好きな作品を挙げていく」「プロットの流れ」「キャラクターの作り方」に分けられ、初心者でも入っていきやすい内容になっています。
特に「キャラクターの作り方」に多くを割かれています。実際に小説を書くにあたって、キャラクターほど重要な要素はありません。設定やプロットも大切ですが、物語を牽引するのはキャラクターたちなのですから。
また、実践に即した内容にもなっていて、ただ読むだけの本とは一線を画しています。
まずはこちらを参考に書き始めてみても良いでしょうし、逆に初めて書き上げた後に本書を読んでみても発見があるかと思います。
2.『ベストセラー小説の書き方』(1996/ディーン・R. クーンツ)
初心者向け
どんな本が売れるのか? 超ベストセラー作家が、自作をはじめ、さまざまな例をひきながら、成功の秘密を説き明かす。
何百万もの読者に支持される人気作家ならではの、それ自体が一つのエンターテインメントとなるように計算された好読み物!巻末に読書ガイド「読んで読んで読みまくれ」添付。
アメリカのベストセラー作家・クーンツの小説指南書です。
物語を創るための基本的な事柄から、プロットやキャラクターの作り方(考え方)等をわかりやすく解説しています。
ベストセラーと言われる小説はどういう構成やパターンになっているのか、という点は今も昔も大きく変わるものではありませんので、今読んでも充分に通用します。
ただ、アメリカの事情を説明している部分もあるので、そのあたりは飛ばしてもOKです。
3.『1週間でマスター 小説を書くための基礎メソッド―小説のメソッド 初級編』(2003/奈良裕明)
初心者向け
小説の書き方を1週間でマスターしてしまおうという実に「よくばりな本」です。
しかし、「よくばりな本」というのは非常に内容が濃いものです。この本はあたかも小説を書くための授業受けているかのように、わかりやすく、親しみやすいのが特徴です。1日づつ進んでいくので初心者にとてもやさしいつくりになっています。
著者である奈良裕明氏は実際、小説を書く人ための講義を行っているエキスパートです。小説家を志している人、文章を書いてみたいな、と思っている人、ぜひ一度手にしてみてください。
「あっ、こうすればよかったんだ」と目から鱗間違いなし!背中をポンと押してくれる、そんな1冊です。
1週間でマスター……というのはあくまで「小説の書き方の基礎の基礎」についてであって、これを読めば誰でも面白い小説を書けるようになるというものではありません。
ただ、そこに至るまでに必要な要素をわかりやすく噛み砕いて解説してくれているので、初心者でもとっつきやすい内容になっています。
4.『新・何がなんでも作家になりたい!』(2013/鈴木輝一郎)
初心者向け
前著「何がなんでも作家になりたい! 」から11年。
「小説家の年収」「絶対確実に新人賞を受賞する方法」などの人気コンテンツはそのままに、全国屈指の新人賞受賞率を誇る鈴木輝一郎小説講座で培ったプロデビューのノウハウと最新データ、そして激変したインターネット環境に鑑み「小説家とネット環境」「小説講座の選びかた」、さらに禁断のコンテンツ「小説家のリストラ」「小説家のメンタルヘルス」を加えてパワーアップ! ぜひどうぞ。
鈴木輝一郎小説講座は、多くの新人賞受賞者を輩出している小説講座です(私は独学でデビューしましたが)。
新人賞受賞を目指した具体的な方法が書かれています。ただ優しく解説するだけでなく、厳しさも包み隠さずに記載してあり、身が引き締まるような感覚も得られます。
手法としては、やはりキャラクターの設定を作り込むというものになります。
初心者向け以上、中級者向け未満といった内容でしょうか。
初心者向けはここまで。
続いて、予選は通過するけれど……といった中級者向けの本を紹介していきましょう。
「小説の書き方本」中級者向け3選
5.『「感情」から書く脚本術』(2016/カール・イグレシアス)
者向け
中級プロットじゃない、構成じゃない、キャラクター造型でもない。
一番大事なのは「感情」なんだ! 心の動きを誘導し、最後までのめりこませる物語を書く。
UCLAの人気課外授業待望の邦訳!!
脚本家のカール・イグレシアスによる、脚本術を解説した本です。
「感情」の動きを最優先に考え、その手法は小説にも充分適用できる内容となっています。もちろんプロット、構成、キャラクターの作り方がある程度身についていることが前提で、それらの要素に「感情」を優先して当てはめるというのが主旨になります。
本書を読んでからストーリー作成のコツのような「気づき」が得られ、最終候補にも残るようになりました。私にとっては特に役に立った本と言えます。
6.『SAVE THE CATの法則で売れる小説を書く』(2019/ジェシカ・ブロディ)
者向け
中級「SAVE THE CATの法則」は、映画やテレビドラマなどの映像業界において、シド・フィールドの脚本術やロバート・マッキーの『ストーリー』とともに、”物語創作メソッドの権威”として知られています。
本書は、その「SAVE THE CATの法則」を用いて小説の書き方に応用した内容になります。
大事な鍵は、ペースの配分。テンポが良くて、視覚的で、登場人物の成長が興味深くて、
もれなく構成されている小説なら、どんな大予算映画とも互角に戦えます。そして勝てる。10の物語ジャンル、15段階のビート・シートでベストセラー小説を徹底分析し、物語の描き方をやさしくレクチャーします。
初級者が最初に読む入門的な1冊として、中〜上級者がさらなるアイデアを得たい時のとっておきの1冊として、本書はあらゆる読者にとって重宝されるバイブルとなることでしょう。
小説家のジェシカ・ブロディが脚本家ブレイク・スナイダーの『SAVE THE CATの法則』を小説版として執筆した指南書です。
物語を10のジャンル、15の展開に分け、実際の小説を題材に分析・解説していきます。いわゆるテンプレ、パターンといったストーリー展開を、こうしてあらためて分析することで「こういうことだったのか」と再認識することができます。
初心者が読んでも面白いですが、中級者以上だと本書の内容に頷ける面も多いでしょう。
7.『書きあぐねている人のための小説入門』(2008/保坂和志)
者向け
中級小説を書くときにもっとも大切なこととは?
実践的なテーマを満載しながら、既成の創作教室では教えてくれない、新しい小説を書くために必要なことをていねいに追う。
読めば書きたくなる、実作者が教える“小説の書き方”の本。著者の小説が生まれるまでを紹介する、貴重な「創作ノート」を付した決定版。
芥川賞作家の保坂和志さんによる小説入門書。
入門書と銘打っていますが、ある程度小説を書いてきたけれど、ちょっと行き詰まっているという方におすすめしたい本になります。
中級者向けはここまで。
続いて、最終候補やその手前くらいまでは進めるんだけれど……という方に向けての本を紹介していきます。
「小説の書き方本」上級者向け3選
8.『小説講座 売れる作家の全技術』(2012/大沢在昌)
者向け
上級エンタメ小説界のトップを走り続ける著者が、作家になるために必要な技術と生き方のすべてを公開。
十二人の受講生の作品を題材に、一人称の書き方やキャラクターの作り方、描写のコツなど小説の技術を指南。さらにデビューの方法やデビュー後の心得までを伝授する。
文庫版特別講義ではweb小説やライトノベルを含めた今の小説界を総括。いかにデビューし、生き残っていくかを語り尽くす。 エンタメ系小説講座の決定版!
直木賞作家の大沢在昌さんによる小説講座。
受講生の作品を題材にして、良い点と悪い点を挙げつつ解説していきます。しかしこれがなかなか手厳しい。でもそれは小説を書くことに対する覚悟と、愛があるからこその言葉。ある程度結果が出ている人には特に響くことでしょう。
9.『ミステリーの書き方』(2010/日本推理作家協会)
者向け
上級どうしたら小説が書けるの? アイデアはどこから生まれてくるの? プロの作家に必要なことは?―
ミステリーの最前線で活躍する作家が、独自の執筆ノウハウや舞台裏を余すところなく開陳した豪華な一冊。
日本推理作家協会に所属する現役作家たちが答えた貴重なアンケートも収録。作家志望者のみならず、すべてのミステリーファン必読の書。
日本推理作家協会所属の作家たちのノウハウが公開された本です。
具体的なアドバイスや抽象的な考え方など、さまざまな方がさまざまな手法を惜しげもなく披露しています。ただ作家一人あたりのページ数が限られていますので、その中から言いたいことを読み取る力があれば、きっと本書が役に立つことでしょう。
また、ミステリー以外のジャンルについても参考にできる部分も多いかと思います。
10.『書くことについて』(2013/スティーヴン・キング)
者向け
上級「われわれ三文文士の多くもまた、及ばずながら言葉に意を注ぎ、物語を紙の上に紡ぎだす技と術に心を砕いている。本書のなかで、私はいかにして『書くことについて』の技と術に通じるようになったか、いま何を知っているのか、どうやって知ったのかを、できるだけ簡潔に語ろうと思っている。テーマは私の本業であり、言葉である」(本文より)
ベストセラーを次から次へと生み出す、アメリカを代表する作家が、自らの「書くことについて」を解き明かしした自伝的文章読本。
作家になるまでの苦闘物語から始まり、ドラッグとアルコール漬けの作家生活を語る半自叙伝の回想。書くために必要となる基本的なスキルの開陳。
いいものを書くための著者独自の魔法の技。そして「書くことと」と「生きること」を重ね合わせる作者自身の人生観まで。ひとりの作家の「秘密」がそこかしこに語られるドキュメンタリー。
かのスティーヴン・キングによる文章読本。
回想もありますが、小説を書く際のスキルや思考についても書かれており、大いに参考になります。受賞を目指す方の最後の後押しになるかもしれません。
「小説の書き方本」10選まとめ
それでは、おさらいしましょう。
■初心者向け
- 『「物語」のつくり方入門 7つのレッスン』
(2012/円山夢久) - 『ベストセラー小説の書き方』
(1996/ディーン・R. クーンツ) - 『1週間でマスター 小説を書くための基礎メソッド―小説のメソッド 初級編』
(2003/奈良裕明) - 『新・何がなんでも作家になりたい!』
(2013/鈴木輝一郎)
■中級者向け
- 『「感情」から書く脚本術』(2016/カール・イグレシアス)
- 『SAVE THE CATの法則で売れる小説を書く』
(2019/ジェシカ・ブロディ) - 『書きあぐねている人のための小説入門』
(2008/保坂和志)
■上級者向け
- 『小説講座 売れる作家の全技術』(2012/大沢在昌)
- 『ミステリーの書き方』
(2010/日本推理作家協会) - 『書くことについて』
(2013/スティーヴン・キング)
以上、私が参考にしてきた「小説の書き方本」10冊を紹介してきました。
しかし重要なのは「書くことの習慣化」であり、それに勝る方法はありません。書くことを習慣にしたうえでこれらの本を手に取ってみると、見えてくることや気づくことが違ってきます。
紹介してきた本が、一人でも多くの作家志望者の方の参考になれば幸いです。デビュー目指して日々書き続けてくださいね!
なお、昨今はウェブ応募可能な新人賞も多くあります。以下の記事で紹介していますので、よろしければご覧ください。
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