1996年、『藪燕』で第76回オール讀物新人賞を受賞してデビューした乙川優三郎(おとかわ・ゆうざぶろう)さん。2002年に『生きる』で第127回直木賞を受賞しました。
そんな乙川優三郎さんの新刊情報をまとめました!
それぞれ最新刊から3冊を紹介しています。
※新刊予定については新刊情報が入り次第、「1.」に記載します
それでは、簡単なあらすじを含めてそれぞれ見ていきましょう。
乙川優三郎の単行本新刊情報
1.『あの春がゆき この夏がきて』(2021/10/15発売)
最新刊
徳間書店
<あらすじ>
「死んだ伯父さんが言ってた。汚いものばかり見ていると目も汚れる。そんなときこそ、美しいものを探せって」神木が画家に出会ったときのその言葉が、彼の運命を変えた。神木は忘れなかった。女性を愛し、芸術を愛しながら、浮浪児の孤独だけは忘れずにいたので、ときおり、自家中毒を起こした。
神木(こうのぎ)は、戦後、浮浪児から、画家だった養父に拾われ、「養子となった。芸大在学中、養父が死去。
全くの一人になった男が辿った道筋とは。出版社の装幀部に勤めていたが、その後、川崎にバーを経営。魅力的な女性と出会い、別れる。名手が書き下ろす一人の男の人生。
「変に優しいのよね。けっこう優しく裏切る」
彼は優しい男のまま別れようとしていた。人の人生までねじ曲げるような乱暴は好まなくなっていた。女は気を失うような刺激に飢えていたのだと思った。今の女には安堵の色が見えていた。
「私が男の人に真実を期待しすぎるのかしら、それとも男の人が私に真実を期待しないのかしら」ニューカレドニア生まれのマリエは神木の経営するバーに咲いた花だったが、とことん男を見る目がなかった。男に裏切られてきた女が見出したのは。
こちらが単行本の最新刊になります。
2.『ナインストーリーズ』(2021/6/23発売)
短編集
文藝春秋
<あらすじ>
満足? 後悔? 愉悦? 絶望?人生の黄昏を迎えるとき、人は自らの来し方をどう捉えるでしょうか。長く別居して年一回の対面を重ねる夫婦、定年間近の独身男の婚活、還暦過ぎの女友達二人、かつて交際していたアイドル歌手同士の再会……。
乙川さんの新作は、誰の身にも起こり得る人生模様を端正な文章で紡ぎます。
時代小説から現代に小説の舞台を移してからも大佛次郎賞、芸術選奨文部科学大臣賞、島清恋愛文学賞など数々の評価を得ている筆者による9つの物語。
3.『地先』(2019/8/8発売)
短編集
徳間書店
<あらすじ>
心は、色褪せてはいない。人生の後半にさしかかった女と男。艶めいた思い出と、思いがけない出来事で揺れる。
八篇の物語がかきたてる勇気と感動。
単行本は以上です。続いて文庫の新刊を見ていきましょう!
乙川優三郎の文庫本新刊情報
1.『ある日 失わずにすむもの』(2021/12/8発売)
文庫最新刊、短編集
徳間書店
<あらすじ>
アフガン、ミャンマー、イラク始め、今現在、世界を襲っている不幸。そんな状況を予見したかのような作品!ある日突然、起こりうる近未来の戦争。
北米、ヨーロッパ、アジア、日本、世界各国に生きる人々の奪われゆく日々や、愛情、未来。誰にでも起こりうる恐ろしい状況。
明日には失ういとおしい生活を、無駄のない研ぎ澄まされた美しい文体で描く。
この小説の主人公は明日の私たちかも知れません。小説には力があると信じられる12篇!
2018年の単行本の文庫化作品です。
2.『麗しき花実』(2021/12/8発売)
文庫最新刊
徳間書店
<あらすじ>
文政5年、蒔絵師の娘・理野は、兄と共に松江から江戸の原羊遊斎の工房を目指した。羊遊斎の工房で、急逝したが、女の蒔絵師として、下絵から仕事が許される。工房の数物を作りながら、新しい美をもとめる理野。情念を込めた独自の表現を目指し、全てを蒔絵に注ぐ。
江戸琳派の酒井抱一、鈴木其一など実在の人物を絡め、描かれる美術工芸の世界と、やるせない恋。そして、職人魂を貫く潔い女の生き方が感動を呼ぶ。
ラストシーンで、其一の代表に連なる松江の山道からの風景が想像をかき立てる。凜と生きる女の潔さと情念が印象的な時代長編。
2010年の単行本の文庫化作品です。
3.『R.S.ヴィラセニョール』(2019/10/27発売)
新潮社
<あらすじ>
房総半島に工房を構える若手女性染色家、レイ・市東・ヴィラセニョール。父から継いだフィリピンの血と母からの日本。鮮烈な色が評価され始めた矢先、父は病身をおして祖国へ帰ると言いだす。何が彼を駆り立てるのか。
染色の可能性を探求し、型にはまった「日本らしさ」に挑むレイが、苛酷な家族の歴史を知ったとき選択した道とは。
美しく深みのある筆致で女性の闘いを描き出す傑作長編。
2017年の単行本の文庫化作品です。
まとめ
それぞれおさらいします。
■単行本新刊
- 『あの春がゆき この夏がきて』(2021/10/15発売)
- 『ナインストーリーズ』(2021/6/23発売)
- 『地先』(2019/8/8発売)
■文庫本新刊
- 『ある日 失わずにすむもの』(2021/12/8発売)
- 『麗しき花実』(2021/12/8発売)
- 『R.S.ヴィラセニョール』(2019/10/27発売)
定期的に作品を発表している乙川優三郎さん。次作が楽しみですね。
それでは、良い読書体験を!
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