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『鹿の王』で第12回本屋大賞(2015年)を受賞した上橋菜穂子さんの人気シリーズ「精霊の守り人」。冒険譚と人との関わりを深く描いたファンタジー小説です。
そんな上橋菜穂子さんの「精霊の守り人シリーズ」の読む順番を紹介いたします!
「精霊の守り人」シリーズの読む順番
全7作(10巻)が刊行されており、完結済みとなります。偕成社および新潮社から文庫が刊行されています。
おすすめの読む順番としても刊行順が一番良いので順番に紹介していきます。
1.『精霊の守り人』(1996年)
<あらすじ>
老練な女用心棒バルサは、新ヨゴ皇国の二ノ妃から皇子チャグムを託される。精霊の卵を宿した息子を疎み、父帝が差し向けてくる刺客や、異界の魔物から幼いチャグムを守るため、バルサは身体を張って戦い続ける。
建国神話の秘密、先住民の伝承など文化人類学者らしい緻密な世界構築が評判を呼び、数多くの受賞歴を誇るロングセラーがついに文庫化。
痛快で新しい冒険シリーズが今始まる。
こちらが第一作です。
一作目から緻密な世界設定を描き出し、読む者を一気にその世界へ引き込んでいきます。バルサを中心にキャラクターも魅力的で、あっという間に本作のファンになってしまいました。
2.『闇の守り人』(1999年)
<あらすじ>
女用心棒バルサは、25年ぶりに生まれ故郷に戻ってきた。おのれの人生のすべてを捨てて自分を守り育ててくれた、養父ジグロの汚名を晴らすために。短槍に刻まれた模様を頼りに、雪の峰々の底に広がる洞窟を抜けていく彼女を出迎えたのは――。
バルサの帰郷は、山国の底に潜んでいた闇を目覚めさせる。壮大なスケールで語られる魂の物語。読む者の心を深く揺さぶるシリーズ第2弾。
バルサの帰郷を描いた2作目です。
壮大なスケール感でありながら、人間の繊細な心の動きを見事に描写しています。
3.『夢の守り人』(2000年)
<あらすじ>
人の夢を糧とする異界の“花”に囚われ、人鬼と化したタンダ。女用心棒バルサは幼な馴染を救うため、命を賭ける。心の絆は“花”の魔力に打ち克てるのか? 開花の時を迎えた“花”は、その力を増していく。不可思議な歌で人の心をとろけさせる放浪の歌い手ユグノの正体は?
そして、今明かされる大呪術師トロガイの秘められた過去とは? いよいよ緊迫度を増すシリーズ第3弾。
4.『虚空の旅人』(2001年)
<あらすじ>
隣国サンガルの新王即位儀礼に招かれた新ヨゴ皇国皇太子チャグムと星読博士シュガは、〈ナユーグル・ライタの目〉と呼ばれる不思議な少女と出会った。海底の民に魂を奪われ、生贄になる運命のその少女の背後には、とてつもない陰謀が――。
海の王国を舞台に、漂海民や国政を操る女たちが織り成す壮大なドラマ。シリーズを大河物語へと導くきっかけとなった第4弾、ついに文庫化!
第4作目は主人公が「守り人」から「旅人」ということでチャグムに変わっています。
さらに壮大な物語へと変化していきます。
5.『神の守り人』(2003年)
<あらすじ>
女用心棒バルサは逡巡の末、人買いの手から幼い兄妹を助けてしまう。ふたりには恐ろしい秘密が隠されていた。ロタ王国を揺るがす力を秘めた少女アスラを巡り、〈猟犬〉と呼ばれる呪術師たちが動き出す。
タンダの身を案じながらも、アスラを守って逃げるバルサ。追いすがる〈猟犬〉たち。バルサは幼い頃から培った逃亡の技と経験を頼りに、陰謀と裏切りの闇の中をひたすら駆け抜ける!
5作目は「来訪編」「帰還編」として、再びバルサが主人公の物語です。
6.『蒼路の旅人』(2005年)
<あらすじ>
生気溢れる若者に成長したチャグム皇太子は、祖父を助けるために、罠と知りつつ大海原に飛びだしていく。迫り来るタルシュ帝国の大波、海の王国サンガルの苦闘。遥か南の大陸へ、チャグムの旅が、いま始まる!
──幼い日、バルサに救われた命を賭け、己の身ひとつで大国に対峙し、運命を切り拓こうとするチャグムが選んだ道とは? 壮大な大河物語の結末へと動き始めるシリーズ第6作。
6作目は再び「旅人」ということでチャグムが主人公です。
7.『天と地の守り人〈第1部〉ロタ王国編』(2006年)
<あらすじ>
大海原に身を投じたチャグム皇子を探して欲しい──密かな依頼を受けバルサはかすかな手がかりを追ってチャグムを探す困難な旅へ乗り出していく。刻一刻と迫るタルシュ帝国による侵略の波、ロタ王国の内側に潜む陰謀の影。
そして、ゆるやかに巡り来る異界ナユグの春。懸命に探索を続けるバルサは、チャグムを見つけることが出来るのか……。
大河物語最終章三部作、いよいよ開幕!
ついに最終章に入ります。ここから三部作。シリーズ完結まで、一気にラストスパートです!
ここからは一冊ずつ紹介します。
8.『天と地の守り人〈第2部〉カンバル王国編』(2007年)
<あらすじ>
再び共に旅することになったバルサとチャグム。かつてバルサに守られて生き延びた幼い少年は、苦難の中で、まぶしい脱皮を遂げていく。バルサの故郷カンバルの、美しくも厳しい自然。すでに王国の奥深くを蝕んでいた陰謀。そして、草兵として、最前線に駆り出されてしまったタンダが気づく異変の前兆──
迫り来る危難のなか、道を切り拓こうとする彼らの運命は。狂瀾怒濤の第二部。
9.『天と地の守り人〈第3部〉新ヨゴ皇国編』(2007年)
<あらすじ>
ロタとカンバルがうごいた! 北の諸国のうねりを背に、瀕死の故国へ帰還するチャグムに父との対決の時が迫る。緒戦の犠牲となったタンダの行方を必死に探し求めるバルサ。大地が揺れ、天変地異が起こるとき、金の鳥が空を舞い、地を這う人々の群れは、ひたすらに生きのびようとする。──
十年余りの時をかけて紡ぎだされた大河物語の最終章『天と地の守り人』三部作、ついに完結!
いよいよ最終巻です。感動のフィナーレを体験しましょう。
「精霊の守り人」番外編
1.『流れ行く者』(2008年)
短編集
<あらすじ>
陰謀に巻き込まれ父を殺された少女バルサ。親友の娘である彼女を託され、用心棒に身をやつした男ジグロ。故郷を捨て追っ手から逃れ流れ行くふたりは、定まった日常の中では生きられぬ、様々な境遇の人々と出会う。
幼いタンダとの明るい日々、賭事師の老女との出会い、そして、初めて己の命を短槍に託す死闘の一瞬。孤独と哀切と、温もりに彩られた、バルサ十代の日々を描く短編集。
バルサの若い時を描いた短編集です。
2.『炎路を行く者』(2012年)
短編集
<あらすじ>
『蒼路の旅人』、『天と地の守り人』で暗躍したタルシュ帝国の密偵ヒュウゴ。彼は何故、祖国を滅ぼし家族を奪った王子に仕えることになったのか。謎多きヒュウゴの少年時代を描いた「炎路の旅人」。そして、女用心棒バルサが養父ジグロと過酷な旅を続けながら成長していく少女時代を描いた「十五の我には」。
──やがて、チャグム皇子と出会う二人の十代の物語2編を収録。
ヒュウゴとバルサの物語がそれぞれ収録されています。
3.『風と行く者:守り人外伝』(2018年)
<あらすじ>
つれあいのタンダとともに、久しぶりに草市を訪れたバルサは、若い頃に護衛をつとめ、忘れ得ぬ旅をしたサダン・タラム〈風の楽人〉たちと再会、その危機を救ったことで、再び、旅の護衛を頼まれる。シャタ〈流水琴〉を奏で、異界への道を開くことができるサダン・タラム〈風の楽人〉の頭は、しかし、ある事情から、密かに狙われていたのだった。ジグロの娘かもしれぬ、この若き頭を守って、ロタへと旅立つバルサ。
草原に響く〈風の楽人〉の歌に誘われて、バルサの心に過去と今とが交叉するとき、ロタ北部の歴史の闇に隠されていた秘密が、危険な刃となってよみがえる。
バルサの外伝になります。
etc.『増補改訂版 「守り人」のすべて』(2016年)
<あらすじ>
日本を代表するファンタジー作品「守り人」シリーズ、その物語世界を案内するガイドブックの増補改訂版を刊行します。バルサとタンダの日常を描く、書き下ろし短編「春の光」、 「守り人」シリーズの登場人物事典や百科事典から、 作家・佐藤多佳子さんや、翻訳者・平野キャシーさんとの対談、 上橋菜穂子著作紹介まで、一挙収録!
増補版では、さらに 旅の日々のバルサを描いた書き下ろし短編「天への振舞い」、 NHKドラマ「精霊の守り人」の美術をつとめる山口類児さんとの対談も 収録しています! ! !
これから読もうと思っている人も、すでにハマっている人も必読です。
ガイド本ですが、短編「春の光」が収録されていますので、ファンには外せない一冊。
漫画版「精霊の守り人」
藤原カムイさんの絵で全3巻が刊行されています。
アニメ版「精霊の守り人」
2007年にProduction I.G制作でアニメ化もされています。
Amazon prime videoでレンタル配信されています
ドラマ版「精霊の守り人」
2016年~18年に綾瀬はるかさん主演でドラマ化(NHK)されています。
また、NHKによるドラマ版「精霊の守り人公式サイト」も開設されています。
まとめ
■「精霊の守り人」本編
- 『精霊の守り人』
(1996年) - 『闇の守り人』
(1999年) - 『夢の守り人』
(2000年) - 『虚空の旅人』
(2001年) - 『神の守り人』
(2003年) - 『蒼路の旅人』
(2005年) - 『天と地の守り人〈第1部〉ロタ王国編』
(2006年) - 『天と地の守り人〈第2部〉カンバル王国編』
(2007年) - 『天と地の守り人〈第3部〉新ヨゴ皇国編』
(2007年)
■「精霊の守り人」番外編
- 『流れ行く者』
(2008年) - 『炎路を行く者』
(2012年) - 『風と行く者:守り人外伝』
(2018年)
以上、シリーズ全作を紹介してきました。
非常に魅力的なファンタジー作品で、ふだんファンタジーを読まないという人にも受け入れやすいかと思います。この機会にぜひ読破してみましょう!
なお、偕成社による精霊の守り人公式サイトも開設されていますので、チェックしてみてくださいね。
それでは、良い読書体験を!
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