ミステリー小説ランキングは各社が独自に作成していますが、それらをすべて合わせたランキングはありません。
そこで、このブログではそれらのランキングをさらに独自に集計し、合計点の高い順にランキングを作成しました!
- 週刊文春ミステリーベスト10 – 文藝春秋
- このミステリーがすごい! – 宝島社
- 本格ミステリ・ベスト10 – 原書房
- ミステリが読みたい! – 早川書房
以上を対象ランキングとして、1位に10点、以降は2位に9点……10位に1点と加点していき、国内ミステリー作品を合計点の高い順に紹介していきます。
満点は40点です。
4大ランキングの合計点がもっとも高い作品に輝いたのは、どの作品だったのでしょうか。
なお年間ランキングの性質上、2019年末~2020年終盤までに刊行された作品が対象となります。
それでは1位から紹介していきます!
国内ミステリー小説ランキング14作
対象期間は2019年11月~2020年10月(「ミステリが読みたい!」のみ10月~9月)に刊行された作品です。
1位『たかが殺人じゃないか』(辻真先)
合計36点
文春 | このミス | 本ミス | ミス読み |
10点 (1位) | 10点 (1位) | 6点 (5位) | 10点 (1位) |
<あらすじ>
昭和二四年、ミステリ作家を目指しているカツ丼こと風早勝利は、名古屋市内の新制高校三年生になった。旧制中学卒業後の、たった一年だけの男女共学の高校生活。そんな中、顧問の勧めで勝利たち推理小説研究会は、映画研究会と合同で一泊旅行を計画する。顧問と男女生徒五名で湯谷温泉へ、修学旅行代わりの小旅行だった―。
そこで巻き込まれた密室殺人事件。さらに夏休み最終日の夜、キティ台風が襲来する中で起きた廃墟での首切り殺人事件!二つの不可解な事件に遭遇した勝利たちは果たして…。
著者自らが経験した戦後日本の混乱期と、青春の日々をみずみずしく描き出す。(東京創元社)
辻真先さんの『たかが殺人じゃないか』が各社すべてのランキングで上位に入り、見事に1位を獲得しました! なお1位は同点でもう一作あります。
昭和24年に起きた密室殺人事件。高校生たちは事件の謎を解くことができるのか。
3つのランキングで1位を獲得。本ランキングでも納得の1位でしょう。
1位『透明人間は密室に潜む』(阿津川辰海)
合計36点
文春 | このミス | 本ミス | ミス読み |
9点 (2位) | 9点 (2位) | 10点 (1位) | 8点 (3位) |
<あらすじ>
透明人間による不可能犯罪計画。裁判員裁判×アイドルオタクの法廷ミステリ。録音された犯行現場の謎。クルーズ船内、イベントが進行する中での拉致監禁──。
絢爛多彩、高密度。注目の新鋭が贈る、本格ミステリの魅力と可能性に肉薄する4編。(光文社)
同点1位は阿津川辰海さんの『透明人間は密室に潜む』でした。
本格ミステリーベスト10で1位を獲得。他のランキングでも2位と3位で強さを見せつけて、同じく納得の1位です。
4作が詰まった短編集は、どの作品もハイレベルな出来。
3位『楽園とは探偵の不在なり』(斜線堂有紀)
合計29点
文春 | このミス | 本ミス | ミス読み |
8点 (3位) | 5点 (6位) | 7点 (4位) | 9点 (2位) |
<あらすじ>
二人以上殺した者は”天使”によって即座に地獄に引き摺り込まれるようになった世界。細々と探偵業を営む青岸焦(あおぎしこがれ)は「天国が存在するか知りたくないか」という大富豪・常木王凱(つねきおうがい)に誘われ、天使が集まる常世島(とこよじま)を訪れる。そこで青岸を待っていたのは、起きるはずのない連続殺人事件だった。
かつて無慈悲な喪失を経験した青岸は、過去にとらわれつつ調査を始めるが、そんな彼を嘲笑うかのように事件は続く。犯人はなぜ、そしてどのように地獄に堕ちずに殺人を続けているのか。
最注目の新鋭による、孤島×館の本格ミステリ。(早川書房)
4位『法廷遊戯』(五十嵐律人)
合計24点
文春 | このミス | 本ミス | ミス読み |
7点 (4位) | 7点 (4位) | 2点 (9位) | 8点 (3位) |
<あらすじ>
法律家を志した三人。一人は弁護士になり、一人は被告人になり、一人は命を失った。謎だけを残して。メフィスト賞受賞作。(講談社)
5位『Another2001』(綾辻行人)
合計18点
文春 | このミス | 本ミス | ミス読み |
4点 (7位) | 8点 (3位) | – (圏外) | 6点 (5位) |
<あらすじ>
多くの犠牲者が出た1998年度の“災厄”から3年。春から夜見北中三年三組の一員となる生徒たちの中には、3年前の夏、見崎鳴と出会った少年・想の姿があった。“死者”がクラスにまぎれこむ“現象”に備えて、今年は特別な“対策”を講じる想たちだったが、ある出来事をきっかけに歯車が狂いはじめ、ついに惨劇の幕が開く!相次ぐ理不尽な“死”の恐怖、そして深まりゆく謎。
“夜見山現象”史上最凶の“災厄”に、想と鳴はどう立ち向かうのか―!?(KADOKAWA)
6位『蟬かえる』(櫻田智也)
合計12点
文春 | このミス | 本ミス | ミス読み |
1点 (10位) | – (圏外) | 9点 (2位) | 2点 (9位) |
<あらすじ>
ブラウン神父、亜愛一郎に続く、“とぼけた切れ者”名探偵である、昆虫好きの青年・〓沢泉。彼が解く事件の真相は、いつだって人間の悲しみや愛おしさを秘めていた―。十六年前、災害ボランティアの青年が目撃したのは、行方不明の少女の幽霊だったのか?〓沢が意外な真相を語る「〓かえる」。
交差点での交通事故と団地で起きた負傷事件のつながりを解き明かす、第七十三回日本推理作家協会賞候補作「コマチグモ」など五編を収録。
注目の若手実力派・ミステリーズ!新人賞作家が贈る、絶賛を浴びた『サーチライトと誘蛾灯』に続く連作集第二弾。(東京創元社)
7位『名探偵のはらわた』(白井智之)
合計11点
文春 | このミス | 本ミス | ミス読み |
– (圏外) | 3点 (8位) | 8点 (3位) | – (圏外) |
<あらすじ>
稀代の毒殺魔も、三十人殺しも。名探偵vs.歴史的殺人犯の宴、開幕。推理の果ては、生か死か――。悪夢が甦る――。日本犯罪史に残る最凶殺人鬼たちが、また殺戮を繰り返し始めたら。新たな悲劇を止められるのはそう、名探偵だけ!
善悪を超越した推理の力を武器に、「七人の鬼」の正体を暴き、世界から滅ぼすべし! 美しい奇想と端正な論理そして破格の感動。覚醒した鬼才が贈る、豪華絢爛な三重奏。このカタルシスは癖になる!(新潮社)
8位『死神の棋譜』(奥泉光)
合計10点
文春 | このミス | 本ミス | ミス読み |
5点 (6位) | – (圏外) | – (圏外) | 5点 (6位) |
<あらすじ>
――負けました。これをいうのは人生で何度目だろう。将棋に魅入られ、頂点を目指し、深みへ潜ってしまった男。消えた棋士の行方を追って、北海道の廃坑から地下神殿の対局室までの旅が始まる。
芥川賞作家が描く傑作将棋エンタテインメント。(新潮社)
9位『ワトソン力』(大山誠一郎)
合計8点
文春 | このミス | 本ミス | ミス読み |
3点 (8位) | – (圏外) | 5点 (6位) | – (圏外) |
<あらすじ>
目立った手柄もないのに、なぜか警視庁捜査一課に所属する和戸宋志。行く先々で起きる難事件はいつも、居合わせた人びとが真相を解き明かす。それは、和戸のそばにいる人間の推理力を飛躍的に向上させる能力のおかげだった。
謎解きの楽しみが目白押しの本格ミステリ短編集!(光文社)
9位は同点で2作あります。
9位『欺瞞の殺意』(深木章子)
合計8点
文春 | このミス | 本ミス | ミス読み |
– (圏外) | 4点 (7位) | 4点 (7位) | – (圏外) |
<あらすじ>
無実にもかかわらず「自白」して無期懲役となった元弁護士と事件関係者との「往復書簡」は、「毒入りチョコレート」殺人をめぐる推理合戦となり、やがて「真相」のぶつかり合いが思わぬ方向へ物語を導いていく。(原書房)
11位『鶴屋南北の殺人』(芦辺拓)
合計7点
文春 | このミス | 本ミス | ミス読み |
– (圏外) | – (圏外) | 3点 (8位) | 4点 (7位) |
<あらすじ>
ロンドンで見つかった鶴屋南北の未発表作品をめぐる不可解な見立ての連続死、そして「南北の作品」自体に秘められた謎。芝居か現か、過去か現在か。時空を越え複雑に絡んだ謎に、森江春策が七転八倒解き明かしてゆく。(原書房)
12位『汚れた手をそこで拭かない』(芦沢央)
合計6点
文春 | このミス | 本ミス | ミス読み |
– (圏外) | – (圏外) | 6点 (5位) | – (圏外) |
<あらすじ>
平穏に夏休みを終えたい小学校教諭、認知症の妻を傷つけたくない夫。元不倫相手を見返したい料理研究家……始まりは、ささやかな秘密。気付かぬうちにじわりじわりと「お金」の魔の手はやってきて、見逃したはずの小さな綻びは、彼ら自身を絡め取り、蝕んでいく。
取り扱い注意! 研ぎ澄まされたミステリ5篇からなる、傑作独立短編集(文藝春秋)
12位は同点で2作あります。
12位『アンダードックス』(長浦京)
合計6点
文春 | このミス | 本ミス | ミス読み |
– (圏外) | 6点 (5位) | – (圏外) | – (圏外) |
<あらすじ>
裏金作りに巻き込まれ全てを失った元官僚の古葉慶太は、イタリア人大富豪に世界を揺るがす計画を託される。それは、国籍もバラバラな“負け犬”仲間たちとチームを組み、香港の銀行地下に隠された国家機密を奪取するというものだった―。
敵は大国、狙うは国家機密!1997年、返還前夜の香港で、負け犬たちの逆襲が始まる。超弩級ミステリー巨編!(KADOKAWA)
14位『あの子の殺人計画』(天祢涼)
合計5点
文春 | このミス | 本ミス | ミス読み |
– (圏外) | – (圏外) | – (圏外) | 5点 (6位) |
<あらすじ>
椎名きさらは小学五年生。母子家庭で窮乏している上に親から“水責めの刑”で厳しく躾けられていたが、ある時から自分が虐待されているのではないかと気づき始める。一方、JR川崎駅近くの路上で、大手風俗店のオーナーが刺し殺された。かつて店で働いていた椎名綺羅が捜査線上に浮かぶが、彼女には娘のきさらと一緒に自宅にいたというアリバイがあった―。
社会派と本格が見事に融合した傑作ミステリー!(文藝春秋)
まとめ
では、順位をおさらいします!
- 1位:『たかが殺人じゃないか』(辻真先)
- 1位:『透明人間は密室に潜む』(阿津川辰海)
- 3位:『楽園とは探偵の不在なり』(斜線堂有紀)
- 4位:『法廷遊戯』(五十嵐律人)
- 5位:『Another2001』(綾辻行人)
- 6位:『蟬かえる』(櫻田智也)
- 7位:『名探偵のはらわた』(白井智之)
- 8位:『死神の棋譜』(奥泉光)
- 9位:『ワトソン力』(大山誠一郎)
- 9位:『欺瞞の殺意』(深木章子)
- 11位:『鶴屋南北の殺人』(芦辺拓)
- 12位:『汚れた手をそこで拭かない』(芦沢央)
- 12位:『アンダードックス』(長浦京)
- 14位:『あの子の殺人計画』(天祢涼)
以上、ランキングを紹介してきました。同点が多く、今回は14作を選出。
こうして総合ランキングを見てみても、話題作が上位に入っている印象ですね。
もちろん各社のランキングに選ばれるだけでもすごいことですから、どの作品も面白さは保証つき。
話題のミステリーをどれから読もうか迷ったら、このランキングが参考になれば幸いです。そして来年が早くも楽しみですね。
それでは、良い読書体験を!
また、読むだけではなくミステリーの世界の登場人物を体験できるマーダーミステリーというゲームがあります。
こちらの「マダミスマニア」ではマーダーミステリーの遊び方やおすすめ作品等を紹介しています。ミステリーに出てくるキャラクターを演じてみたいという方は、こちらのサイトを参考にてぜひ体験してみてくださいね!
さらにはもう少しライトなテイストが良いという方は「なぞなぞクイズ」がオススメ。子どもから大人まで楽しめるなぞなぞ、クイズが詰まっています。ご自身はもちろん、お子さんがいらっしゃる方は親子で挑戦するのも楽しいかもしれませんね。
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