[toc]
独特の世界観を構築するストーリーを次々と生み出している伊坂幸太郎さん。数多くの作品を発表していますので、
- 初めて伊坂幸太郎を読むんだけど、どれを選べば…
- もっと読みたいけど、次に何を読むか迷っているよ…
という方は多いはず。
そこで、全作品を読破した私がオススメ10作品をランキング形式で紹介します!
伊坂幸太郎オススメ10作品ランキング
1位:『死神の精度』(2005年)
短編集
<あらすじ>
CDショップに入りびたり、苗字が町や市の名前であり、受け答えが微妙にずれていて、素手で他人に触ろうとしない―そんな人物が身近に現れたら、死神かもしれません。一週間の調査ののち、対象者の死に可否の判断をくだし、翌八日目に死は実行される。
クールでどこか奇妙な死神・千葉が出会う六つの人生。
選んだポイント
伊坂さんの作品はどれもオススメなのですのが、短編集ということもあり、読みやすさも考慮して1位に推しました。
表題作は第57回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。
クールなようでいて、「人の死の価値」について考えさせられる名作と言えるでしょう。
続編『死神の浮力』も合わせて読むとより楽しめます。
また、主人公の千葉が現れる時は決まって雨。以下の記事の1位にも選出しましたので、よろしければご覧くださいね。
関連記事>2位:『砂漠』(2005年)
<あらすじ>
「大学の一年間なんてあっという間だ」入学、一人暮らし、新しい友人、麻雀、合コン…。学生生活を楽しむ五人の大学生が、社会という“砂漠”に囲まれた“オアシス”で超能力に遭遇し、不穏な犯罪者に翻弄され、まばたきする間に過ぎゆく日々を送っていく。
パワーみなぎる、誰も知らない青春小説。
選んだポイント
青春小説の名作として挙げたい一作ということで2位に。
後になって大切な時間だったと気づくことの多い「青春」。ぜひ学生の方に読んでもらいたい作品です。もちろん学生時代を思い出して読むのも、また違った味を噛みしめることができるでしょう。
3位:『アヒルと鴨のコインロッカー』(2003年)
<あらすじ>
引っ越してきたアパートで、最初に出会ったのは黒猫、次が悪魔めいた長身の美青年。初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ち掛けてきた。彼の標的は―たった一冊の広辞苑。
僕は訪問販売の口車に乗せられ、危うく数十万円の教材を買いそうになった実績を持っているが、書店強盗は訪問販売とは訳が違う。
しかし決行の夜、あろうことか僕はモデルガンを持って、書店の裏口に立ってしまったのだ!四散した断片が描き出す物語の全体像は?
注目の気鋭による清冽なミステリ。
選んだポイント
「一緒に本屋を襲わないか」という冒頭は、いきなり謎の展開を提示する伊坂さんならではの幕開け。「どういうこと?」と疑問に思うやいなや、後は物語に引き込まれていきます。
第25回吉川英治文学新人賞作。
4位:『ゴールデンスランバー』(2007年)
<あらすじ>
仙台での凱旋パレード中、突如爆発が起こり、新首相が死亡した。同じ頃、元宅配ドライバーの青柳は、旧友に「大きな謀略に巻き込まれているから逃げろ」と促される。折しも現れた警官は、あっさりと拳銃を発砲した。
どうやら、首相暗殺犯の濡れ衣を着せられているようだ。この巨大な陰謀から、果たして逃げ切ることはできるのか?
選んだポイント
衝撃的な出だしと、見事な伏線回収が結実するラスト。すぐれたエンターテインメント小説として楽しめます。
第5回本屋大賞受賞作です。
関連記事>5位:『ラッシュライフ』(2002年)
<あらすじ>
泥棒を生業とする男は新たなカモを物色する。父に自殺された青年は神に憧れる。女性カウンセラーは不倫相手との再婚を企む。職を失い家族に見捨てられた男は野良犬を拾う。幕間には歩くバラバラ死体登場――。並走する四つの物語、交錯する十以上の人生、その果てに待つ意外な未来。不思議な人物、機知に富む会話、先の読めない展開。
巧緻な騙し絵のごとき現代の寓話の幕が、今あがる。
選んだポイント
群像劇ですが、ラストに向けてすべての人がそれぞれ関わっていく手腕は見事です。「人生で大切なこと」に気づける作品でもあります。
6位:『グラスホッパー』(2004年)
<あらすじ>
「復讐を横取りされた。嘘?」元教師の鈴木は、妻を殺した男が車に轢かれる瞬間を目撃する。どうやら「押し屋」と呼ばれる殺し屋の仕業らしい。鈴木は正体を探るため、彼の後を追う。一方、自殺専門の殺し屋・鯨、ナイフ使いの若者・蝉も「押し屋」を追い始める。それぞれの思惑のもとに――
「鈴木」「鯨」「蝉」、三人の思いが交錯するとき、物語は唸りをあげて動き出す。疾走感溢れる筆致で綴られた、分類不能の「殺し屋」小説!
選んだポイント
個性の異なる三人の殺し屋の物語が、絶妙に交差していき一気に物語を進めていきます。読後は清々しさも感じられるでしょう。
「殺し屋」シリーズとして続編『マリアビートル』『AX(アックス)』もぜひ。
伊坂幸太郎「殺し屋シリーズ」の最新作と読む順番(刊行順)、あらすじまとめ
関連記事>7位:『ホワイトラビット』(2017年)
<あらすじ>
仙台の住宅街で発生した人質立てこもり事件。SITが出動するも、逃亡不可能な状況下、予想外の要求が炸裂する。息子への、妻への、娘への、オリオン座への(?)愛が交錯し、事態は思わぬ方向に転がっていく――。
「白兎(しろうさぎ)事件」の全貌を知ることができるのはあなただけ! 伊坂作品初心者から上級者まで没頭度MAX! あの泥棒も登場します。
選んだポイント
さまざまな伏線が絡み合い、そして見事に収束していく技は健在。心を揺さぶられる作品であり、感動作としてもおすすめできます。
8位:『重力ピエロ』(2003年)
<あらすじ>
兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。家族には、過去に辛い出来事があった。その記憶を抱えて兄弟が大人になった頃、事件は始まる。連続放火と、火事を予見するような謎のグラフィティアートの出現。
そしてそのグラフィティアートと遺伝子のルールの奇妙なリンク。謎解きに乗り出した兄が遂に直面する圧倒的な真実とは――。
溢れくる未知の感動、小説の奇跡が今ここに。
選んだポイント
「春が二階から落ちてきた」という有名な冒頭から始まる一連の「家族」の物語。謎の解明とともに明かされる真実に戦慄します。
9位:『オーデュボンの祈り』(2000年)
<あらすじ>
コンビニ強盗に失敗し逃走していた伊藤は、気付くと見知らぬ島にいた。江戸以来外界から遮断されている“荻島”には、妙な人間ばかりが住んでいた。嘘しか言わない画家、「島の法律として」殺人を許された男、人語を操り「未来が見える」カカシ。次の日カカシが殺される。
無残にもバラバラにされ、頭を持ち去られて。未来を見通せるはずのカカシは、なぜ自分の死を阻止出来なかったのか? 伊坂幸太郎、伝説のデビュー作見参!
選んだポイント
デビュー作であり伊坂幸太郎の始まりということで選出しましたが、内容もすばらしく、おすすめできる作品です。
新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しています。
10位:『陽気なギャングが地球を回す』(2003年)
<あらすじ>
人間嘘発見器+演説名人+天才スリ+精確無比な体内時計=4人は史上最強の銀行強盗…のはずが、思わぬ誤算が。奪われた「売上」を取り戻せ!
伊坂幸太郎ブームはここから始まった。「陽気なギャング」シリーズ第1作、お手頃価格でお届けします。
選んだポイント
一気に読める痛快な作品で、伊坂幸太郎入門としてもぴったり。その世界観にどっぷり浸かってみましょう。
続編の『陽気なギャングの日常と襲撃』『陽気なギャングは三つ数えろ』もぜひ。
伊坂幸太郎「陽気なギャングシリーズ」の最新作と読む順番(刊行順)、あらすじまとめ
関連記事>
まとめ
以下、10位までをおさらいです。
- 1位:『死神の精度』
(2005年) - 2位:『砂漠』
(2005年) - 3位:『アヒルと鴨のコインロッカー』
(2003年) - 4位:『ゴールデンスランバー』
(2007年) - 5位:『ラッシュライフ』
(2002年) - 6位:『グラスホッパー』
(2004年) - 7位:『ホワイトラビット』
(2017年) - 8位:『重力ピエロ』
(2003年) - 9位:『オーデュボンの祈り』
(2000年) - 10位:『陽気なギャングが地球を回す』
(2003年)
読みやすさや伊坂ワールドへの入りやすさを考慮し、初期の作品を多く選びました。
これらの作品を読んで伊坂幸太郎にハマったら、ぜひ読破していただきたいと思います!
関連記事
- 伊坂幸太郎の単行本・文庫の新刊・新作最新情報【新刊予定も】
- 伊坂幸太郎「陽気なギャングシリーズ」の最新作と読む順番(刊行順)、あらすじまとめ
- 伊坂幸太郎「殺し屋シリーズ」の最新作と読む順番(刊行順)、あらすじまとめ