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さまざまな犬たちが登場し、活躍する小説がたくさんあります。
ほっこりしたり、泣けてきたり、はたまたハラハラしたり……とにかく犬が登場する小説を読みたい! という方に向けて、おすすめ犬小説を紹介いたします。
犬小説のおすすめ作品10作
1.『デューク』(江國香織/2000年)
短編
<あらすじ>
クリスマスソングが流れる街で起きた奇跡。愛する犬・デュークが死んでしまった。悲しくて涙が止まらない私の目の前に現れた少年。 晴れた冬の1日を彼と過ごした私が受け取ったメッセージは……。
江國香織さんによる短編です。
愛犬デュークの死と、その後の奇跡。感動のあまり、心が震えます。
なお、上記の本は絶版ですが、以下の文庫版『つめたいよるに』(初出は1989年の単行本)に収録されています。
2.『ソウルメイト』(馳星周/2013年)
短編集
<あらすじ>
人間は犬と言葉を交わせない。けれど、人は犬をよく理解し、犬も人をよく理解する。本当の家族以上に心を交わし合うことができるのだ。
余命わずかだと知らされ、その最期の時間を大切に過ごす「バーニーズ・マウンテン・ドッグ」、母の遺した犬を被災地福島まで捜しに行く「柴」など。
じんわりと心に響く、犬と人間を巡る七つの物語。愛犬と生きる喜びも、失う哀しさも包み込む著者渾身の家族小説。
ハードボイルド作家の馳星周さんが、こんな温かい作品を……。
犬とともに生きる幸せ、そして犬に教えられること……馳さんの言う「ソウルメイト」とはまさにその関係性にあるのだなと思わせられる作品集です。
また、直木賞を受賞した(2020年下期)の『少年と犬』も犬をテーマにした作品。こちらも必読です!
関連記事>3.『約束の森』(沢木冬吾/2012年)
<あらすじ>
妻を亡くした元刑事の奥野は、かつての上司から指示を受け北の僻地にある別荘の管理人を務めることになる。やがて明らかになる謎の“組織”の存在。一度は死んだ男が、愛犬マクナイトと共に再び立ち上がる。
こちらは沢木冬吾さんによるハードボイルドなサスペンス作品。
犬とともに事件の真相を解決していくバディものとしても楽しめます。
4.『ウォッチャーズ』(ディーン・R. クーンツ/1993年)
<あらすじ>
森で拾ったその犬には、なにか知性のようなものが、意志に似たものが感じられた。孤独な中年男のトラヴィスは犬に〈アインシュタイン〉と名を与え、半信半疑の対話を試みる。徐々にわかってくる信じがたい事実。
それにしても、犬は何を警戒しているのだろう。繁みの陰に、暗闇の奥に、なにか恐るべき“もの”がひそんでいるのか。
アメリカの大ベストセラー作家、クーンツの作品もサスペンスがうなります。
謎が謎を呼ぶ展開と、拾った犬の真実……家族小説としての側面も持ち、さすがの筆力で一気に読むことができます。
5.『優しい死神の飼い方』(知念実希人/2013年)
<あらすじ>
犬の姿を借り、地上のホスピスに左遷…もとい派遣された死神のレオ。戦時中の悲恋。洋館で起きた殺人事件。色彩を失った画家。死に直面する人間を未練から救うため、患者たちの過去の謎を解き明かしていくレオ。
しかし、彼の行動は、現在のホスピスに思わぬ危機を引き起こしていた―。天然キャラの死神の奮闘と人間との交流に、心温まるハートフルミステリー。
ミステリー作家の知念実希人さんによる作品。
ファンタジックな設定かつミステリーなストーリーですが、ハートフルな物語に仕上がっています。心温まる作品を読みたい方に。
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6.『ティンブクトゥ』(ポール・オースター/2006年)
<あらすじ>
ミスター・ボーンズは犬だ。だが彼は知っていた。主人のウィリーの命が長くないことを。彼と別れてしまえば自分は独りぼっちになることを。世界からウィリーを引き算したら、なにが残るというのだろう? 放浪の詩人を飼い主に持つ犬の視点から描かれる思い出の日々、捜し物の旅、新たな出会い、別れ。詩人の言う「ティンブクトゥ」とは何なのか?
名手が紡ぐ、犬と飼い主の最高の物語。
アメリカの作家、ポール・オースターによる作品。
犬の視点から物語が展開していく、不思議なストーリー。犬と飼い主が紡ぐ、強い絆がテーマになっています。
7.『南アルプス山岳救助隊K-9 レスキュードッグ・ストーリーズ』(樋口明雄/2017年)
短編集
<あらすじ>
日本第2位の高峰、北岳を舞台に山岳救助隊と山岳救助犬が駆ける!『山と溪谷』にて好評連載された、南アルプス山岳救助隊と救助犬の活躍を描く本格山岳小説短篇集。
南アルプス北岳の白根御池小屋に山岳救助隊が常駐し、日本唯一の山岳救助犬が存在したら――。
樋口明雄さんによる「南アルプス山岳救助隊K-9」シリーズの一作。
山岳救助犬が活躍する、緊迫感あふれるストーリーは一級品のエンターテインメント。ちょっと変わったお仕事小説としても楽しめます。
8.『助手席のチェット』(スペンサー・クイン/2015年)
<あらすじ>
元刑事の私立探偵バーニーに持ち込まれた女子高生失踪事件。彼は相棒の大型犬チェットと調査を開始した。警察犬訓練所を優秀な成績で卒業…はできなかったが、それでも優秀なチェットは、全力でバーニーをサポートする。
チェットが犬の心、犬の視点で語り、全世界の犬好きの心を鷲掴みにした傑作『ぼくの名はチェット』の改題文庫化。本書を読まずして、犬好きと言うなかれ!
アメリカの作家、スペンサー・クインによる作品。
犬の視点から語られるミステリー。警察犬が活躍する物語を読みたい方におすすめしたい作品です。
続編もありますので、本作を気に入った方はぜひ。
9.『パーフェクト・ブルー』(宮部みゆき /1989年)
<あらすじ>
元警察犬のマサは、蓮見家の一員となり、長女で探偵事務所調査員・加代ちゃんのお供役の用心犬を務めている。ある晩、高校野球界のスーパースター・諸岡克彦が殺害された。その遺体を発見した加代ちゃん、克彦の弟である進也、そしてマサは事件の真相を追い始めるが…。
宮部みゆきさんの初期作品。
元警察犬のマサが活躍するミステリー。やや古い作品ではありますが、そこは宮部みゆきさんの手腕で一気読み必至です。
続編もありますので、本作が気に入ったらこちらも合わせて読んでみてくださいね。
10.『Wonderful Story(ワンダフルストーリー)』(アンソロジー/2017年)
短編集
<あらすじ>
伊坂幸太郎・大崎梢・木下半太・横関大・貫井徳郎―当代きっての人気作家5人が、「犬」にちなんだペンネームに改名(!?)して夢の競演。昔話でおなじみの犬の思わぬ裏話や、「犬吠埼」で繰り広げられる物語、悪人が連れてきた犬や、人のために働く盲導犬の抱える秘密、そしてやたらと見つめてくる犬の謎とは…。
個性豊かな犬たちが踊る、感動ありサプライズありの前代未聞の小説“ワンソロジー”、ここに登場!
最後にアンソロジーを紹介します。
5人の人気作家によるアンソロジーです。それぞれの個性に応じた犬の登場するストーリーは、まさに贅沢な作品集。
まとめ
- 『デューク』
(江國香織/2000年) - 『ソウルメイト』
(馳星周/2013年) - 『約束の森』
(沢木冬吾/2012年) - 『ウォッチャーズ』
(ディーン・R. クーンツ/1993年) - 『優しい死神の飼い方』
(知念実希人/2013年) - 『ティンブクトゥ』
(ポール・オースター/2006年) - 『南アルプス山岳救助隊K-9 レスキュードッグ・ストーリーズ』
(樋口明雄/2017年) - 『助手席のチェット』
(スペンサー・クイン/2015年) - 『パーフェクト・ブルー』
(宮部みゆき /1989年) - 『Wonderful Story』
(アンソロジー/2017年)
以上の10作を紹介してきました。
実際の犬が千差万別であるように、どの作品に登場する犬も個性豊かで、ともに生きているよう。物語の中で、素敵な犬と出会えますように!
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