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横山秀夫さんの「D県警シリーズ」は、D県警という警察本部を舞台に、管理部門に属する二渡真治(ふたわたり しんじ)らが事件に挑んでいくという警察小説です。
警察の内部(政治)抗争、警官の矜持や葛藤といった心の動きを巧みに描写しています。
そんな横山秀夫さんの「D県警シリーズ」の読む順番を紹介いたします!
横山秀夫「D県警シリーズ」読む順番
現在5作が刊行されています。
おすすめの読む順番としても刊行順が一番良いと思いますので、順番に紹介していきます。
また横山秀夫さんといえば短編小説の名手。『64』を除けば全て短編集となっています。
1.『陰の季節』(1998年)
短編集
<あらすじ>
警察一家の要となる人事担当の二渡真治は、天下りポストに固執する大物OBの説得にあたる。にべなく撥ねつけられた二渡が周囲を探るうち、ある未解決事件が浮かび上がってきた……。
「まったく新しい警察小説の誕生」と選考委員の激賞を浴びた第5回松本清張賞受賞作を表題作とするD県警シリーズ第一弾!
表題作他、「地の声」「黒い線」「鞄」の短篇四篇を収録。
こちらが第一作になります。
主人公・二渡信治は人事担当として奔走します。警察内部の生々しい描写をこれまでかと描き、それでいて心を揺さぶられる物語が詰まった本作は必読の一冊でしょう。
2.『動機』(2000年)
短編集
<あらすじ>
署内で一括保管される三十冊の警察手帳が紛失した。犯人は内部か、外部か? 男たちの矜持がぶつかりあう。表題作(第53回日本推理作家協会賞受賞作)ほか、女子高生殺しの前科を持つ男が、匿名の殺人依頼電話に苦悩する「逆転の夏」。
地方新聞の警察担当記者が主人公の「ネタ元」、公判中の居眠りで失脚する裁判官を描いた「密室の人」、珠玉の四篇を収録。
『動機』は第53回日本推理作家協会賞受賞作。
本作も「週刊文春ミステリーベスト10」で3位、「このミステリーがすごい!」で2位を獲得。名作と言える作品です。
3.『顔 FACE』(2009年)
短編集
<あらすじ>
「だから女は使えねぇ!」鑑識課長の一言に傷つきながら、ひたむきに己の職務に忠実に立ち向かう似顔絵婦警・平野瑞穂。瑞穂が描くのは、犯罪者の心の闇。追い詰めるのは「顔なき犯人」。鮮やかなヒロインが活躍する異色のD県警シリーズ!
こちらは同じD県警を舞台にしながら、似顔絵婦警の平野瑞穂が主人公を務めています。
似顔絵を題材に、数々の難問に挑んでいく姿に心を打たれます。
4.『64(ロクヨン)』(2012年)
<あらすじ>
元刑事で一人娘が失踪中のD県警広報官・三上義信。記者クラブと匿名問題で揉める中、“昭和64年”に起きたD県警史上最悪の翔子ちゃん誘拐殺人事件への警察庁長官視察が決定する。
だが被害者遺族からは拒絶され、刑事部からは猛反発をくらう。
組織と個人の相克を息詰まる緊張感で描き、ミステリ界を席巻した著者の渾身作。
今作は広報官の三上義信が主人公。
D県警シリーズ初の長編作品は「週刊文春ミステリーベスト10」で1位、「このミステリーがすごい!」でも1位という2冠を達成した、こちらも名作に数えられる作品です。
5.『刑事の勲章』(2016年)
短編
<あらすじ>
D県警で「陰の人事権者」の異名を恣にしているエース、二渡真治。その懐に食い込んでいると自負していた上原勇三が、N署の刑事官に任命される。抜擢人事には違いないが、警務畑一筋の上原勇三にとって、畑違いの刑事部は放出と感じられるものだった。
しかもN署では殺人事件の捜査本部が置かれている真っ最中で、上原は一課の刑事たちから蔑ろにされ、更に元刑事OBらが集まる会の圧力に晒され、追い詰められていく……。
電子書籍限定の短編作品です。Amazonや楽天等の取り扱いがなくなっているようです。
なお、『陰の季節』とのセットでドラマ化されています。
Audible版「D県警シリーズ」
『陰の季節』『動機』『64(ロクヨン)』はAmazonの「聴いて読む」サービスであるAudible版もあります。
※楽天市場、Yahoo!ショッピングにはありません
Audibleについては以下の記事で詳しく紹介しています。
Audible(オーディブル)は耳で読む~朗読者、会員特典、評判、おすすめ作品を紹介
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まとめ
それではおさらいします。
- 『陰の季節』
(1998年) - 『動機』
(2000年) - 『顔 FACE』
(2009年) - 『64(ロクヨン)』
(2012年) - 『刑事の勲章』(2016年)
横山秀夫「D県警シリーズ」の読む順番は以上のようになります。
管理部門という、刑事とはひと味違った視点から警察内部をとらえる本シリーズ。新しい世界を知るきっかけになれば幸いです。
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