2012年『蒲生の記』で第18回歴史群像大賞優秀賞を受賞し、2013年『洛中洛外画狂伝』でデビューした谷津矢車(やつ・やぐるま)さん。
そんな谷津矢車さんの新刊情報をまとめました!
それぞれ最新刊から最大5冊を紹介しています。
※新刊予定については新刊情報が入り次第、「1.」に記載します
それでは、簡単なあらすじを含めてそれぞれ見ていきましょう。
谷津矢車の単行本新刊情報
1.『憧れ写楽』(2024/11/8発売)
最新刊
文藝春秋
<あらすじ>
多くの傑作を残し、約10ヵ月で姿を消した「東洲斎写楽」。この謎多き絵師にふたたび筆をとらせたい老舗版元の主・鶴屋喜右衛門は、「写楽の正体」だと噂される猿楽師、斎藤十郎兵衛のもとを訪れる。だが、斎藤の口から語られたのは、「東洲斎写楽の名で出た絵のうち、幾枚かは某の絵ではない」「(自分は)本物の写楽には及ばない」という驚愕の事実。さらに斎藤が「描いていない」絵のなかには、写楽の代表作とされる「三代目大谷鬼次の江戸兵衛」も含まれていた。
写楽はふたりいた――。そう知った喜右衛門は、喜多川歌麿とともにもう一人の写楽探しに乗り出す。しかし、写楽を売り出した張本人である蔦屋重三郎が妨害しはじめ……。果たして、本物の写楽の正体とは。そして、蔦屋重三郎と写楽との関係とは。
大田南畝、山東京伝、歌川豊国など、この時代の文化人たちも次々と登場! 蔦屋重三郎を主人公とする2025年大河ドラマ「べらぼう」と共通する世界で繰り広げられる時代ミステリです。
こちらが単行本の最新刊になります。
2.『二月二十六日のサクリファイス』(2024/8/7発売)
PHP研究所
<あらすじ>
侍従武官長として天皇に近侍している本庄繁陸軍大将を義父に持ち、蹶起した青年将校ともつながっていた山口一太郎大尉。二・二六事件の重要容疑者である彼の調査を憲兵隊員・林逸平が任せられるも、なぜか戒厳司令部参謀・石原莞爾が協力すると言い出してきた。獄中でも、ストーブのある部屋での兵器の開発を許される山口を取り調べるも――。
正義とは何か、国家としての大義はどこにあるのかを鋭く突き付ける、著者渾身の勝負作!
3.『ぼっけもん 最後の軍師 伊地知正治』(2023/6/21発売)
幻冬舎
<あらすじ>
鳥羽伏見の戦い、戊辰戦争。わずか700の兵で4倍の幕府軍を撃破した片眼片足の不自由な「類稀なる軍略家」伊地知正治。ぼっけもんと呼ばれる激烈な性格で兵を駒として操り薩摩人として勝ち続けてきた伊地知が新時代に目にしたのは、荒廃した土地で貧困に喘ぐ民の姿。
大久保利通、西郷隆盛と並び称される勤王の志士の胸に、最後に去来するものとは。
4.『ええじゃないか』(2022/4/19発売)
中央公論新社
<あらすじ>
大政奉還前夜、史上最大の乱痴気騒ぎはなぜ起こったのか。やくざ者に老婆に童、新米御庭番と御用町人。三河国吉田宿に降った数枚の御札が、彼らの命運を、そして天下をも混沌の渦に陥れていく――
作家生活10年目に切り拓く新境地。人智を超えた運命の交錯が、歴史を、物語を駆動する!
5.『宗歩の角行』(2022/4/19発売)
光文社
<あらすじ>
江戸末期に活躍した天才棋士、天野宗歩。実力十三段、のちに棋聖と呼ばれた孤高の勝負師は、何を追い求め彷徨っていたのだろうか。近代将棋の定跡の基礎を築き、今も棋界から無二の存在と一目置かれる男の孤独と絶望に迫る、新たな将棋小説。
単行本は以上です。続いて文庫の新刊を見ていきましょう!
谷津矢車の文庫本新刊情報
1.『蔦屋』(2024/10/9発売)
文庫最新刊
文藝春秋
<あらすじ>
寄る年波には勝てず、店仕舞いしようとしていた地本問屋・丸屋小兵衛のもとを、才気迸る若い男が訪ねてくる。この店に毎年二十両払うから、雇われ人となって自分を手伝ってほしい、という申し出に面食らう小兵衛。「一緒にやりませんか。もう一度この世間をひっくり返しましょうよ」
その男こそ、吉原随一の本屋、飛ぶ鳥を落とす勢いの蔦屋重三郎だった――。
飲むときはとことん飲み、遊ぶときはとことん遊ぶ。商売の波に軽々と乗り、つねに新しいものを作りたい、と意気込む重三郎。重三郎の周りには、太田南畝、朋誠堂喜三二、山東京伝、恋川春町ら売れっ子戯作者や狂歌師が出入りするが、腐れ縁の絵師・喜多川歌麿には、特別な感情をもっている。
やがて松平定信による文武奨励政治が始まると、時代の流れは予期せぬ方向へ――。
蔦屋重三郎の型破りの半生を、父親ほども年が離れた小兵衛を通して描く。最強バディが江戸の街を闊歩する、極上エンターテインメント小説。
単行本を大幅に改稿し、著者によるあとがき「文庫化までの長い言い訳」を特別収録。
2014年の単行本の文庫版です。
2.『吉宗の星』(2024/4/5発売)
実業之日本社
<あらすじ>
紀州藩主・徳川光貞の三男として生まれながら、生母・紋の身分の低さゆえに、虐げられた扱いを受けた新之助。しかし、五代将軍綱吉から「高みに登れ」と声を掛けられ、運命は激しく動き出す。新之助の思いと野心に応え、乳兄弟の星野伊織と鉄海和尚は秘密裡に工作を重ねる。
やがて、新之助は紀州藩主、将軍の座を摑むが、そこには新たな試練が――渾身の歴史長編
2021年の単行本の文庫版です。
3.『北斗の邦へ翔べ』(2023/11/15発売)
角川春樹事務所
<あらすじ>
松前家中の少年、春山伸輔は家名を復権させるべく、榎本軍に占領された箱館において、新政府の遊軍隊と合流。榎本軍への反乱活動を行っていた。一方、新撰組の土方歳三は、かつて近藤勇らと夢に見た国盗りを、箱館政府によって実現させようとしていた。相反する二人が北海道の大地で思いがけない出会いをしたことで、大きな運命が動き出す。
ともに夢見る未来は果たしてどこにあるのか。北斗の邦での戦いを圧倒的スケールで描く歴史小説の傑作!!
2021年の単行本の文庫版です。
4.『廉太郎ノオト』(2023/9/22発売)
中央公論新社
<あらすじ>
廉太郎の頭のなかには、いつも鳴り響いている音があった――最愛の姉の死、厳格な父との対立、東京音楽学校での厳しい競争、孤高の天才少女との出会い、旋律を奏でることをためらう右手の秘密。
若き音楽家・瀧廉太郎は、恩師や友人に支えられながら、数々の試練を乗り越え、作曲家としての才能を開花させていく。そして、新しい時代の音楽を夢みてドイツ・ライプツィヒへと旅立つが……。「西洋音楽不毛の地」に種を植えるべく短い命を燃やした一人の天才の軌跡を描き出す。
時代小説家最注目の俊英が、ついに新境地・明治へ!
2019年の単行本の文庫版です。
5.『しょったれ半蔵』(2022/12/6発売)
小学館
<あらすじ>
かの有名な忍び、服部半蔵。その二代目は武士だった?戦国時代に名を馳せた伊賀忍者、服部半蔵保長。その長男・正成は、家を継ぐべく育てられた。しかし忍びの仕事は闇に紛れ命を奪う影の仕事。七歳のある日、初めての任務が下されたが、そのあまりの理不尽さに悩んだ正成は、思わず家を飛び出してしまう。影に生きる忍びではなく、太陽の下、正々堂々と戦う武士になると心に決めて。
時は流れ、渡辺守綱の家で修行を積んだ正成は上ノ郷城で初陣を迎えた。戦場には密命を帯びた父・保長もいた。しかし直後、謎の忍び・梟に父を殺され、さらには正成も命を狙われる羽目に。
変わらず忍びを厭う正成だったが、保長を失った服部家を継ぐよう主君・松平元康に命じられてしまう。武士としては、主からの命令に逆らえるはずもなく、不本意ながらもここに二代目・服部半蔵が誕生したのだった。
2018年の単行本の文庫版です。
文庫本の新刊情報は以上になります。
まとめ
それぞれおさらいします。
■単行本新刊
- 『憧れ写楽』(2024/11/8発売)
- 『二月二十六日のサクリファイス』(2024/8/7発売)
- 『ぼっけもん 最後の軍師 伊地知正治』(2023/6/21発売)
- 『ええじゃないか』(2022/4/19発売)
- 『宗歩の角行』(2022/4/19発売)
■文庫本新刊
以上になります。コンスタントに作品を発表している谷津矢車さん。次作が楽しみですね。
それでは、良い読書体験を!
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