『玩具修理者』で第2回日本ホラー小説大賞短編賞(1995年)を受賞した小林泰三(こばやし・やすみ)さん。独特の雰囲気を醸すホラー作品が人気です。
■訃報:小林泰三さんは病気のため、2020年11月23日に逝去されました(享年58)。謹んでご冥福をお祈りします。このブログでは、小林さんの関連書籍等が刊行されましたら今後も発信していきます。
小林泰三さんの単行本と文庫の新刊情報をまとめました。
それぞれ最新刊から最大5冊を紹介しています。
※新刊予定については新刊情報が入り次第、単行本と文庫の「1.」に記載します
小林泰三の単行本新刊情報
1.『はじめから国宝、なんてないのだ。感性をひらいて日本美術を鑑賞する』(2023/12/20発売)
最新刊
光文社
<あらすじ>
美術館で国宝を見てもなんだかピンとこないのは、感性や教養がないからではなく、作品との距離感や古びた色彩などにより作品が語りかける声が聞こえにくいから。本書では、国宝をはじめとした日本美術をデジタル復元で当時の色彩に戻し、制作された時の環境で鑑賞することで見えてくるストーリーを紹介。どんな作品も、はじめから国宝なのではない。
ストーリーを理解することで感性がひらき、日本美術の鑑賞が自分のものになる!
単行本はこちらが最新刊になります。
2.『未来からの脱出』(2020/8/26発売)
KADOKAWA
<あらすじ>
とある施設で平穏な日々を送っていたサブロウは自分に過去の記憶がないことに気付く。不審に思い施設を調べると「ここは監獄だ」という何者かからのメッセージが見つかる。
サブロウは仲間を募り脱出を計画するが!?
文庫版が発売です(下記参照)。
3.『ティンカー・ベル殺し』(2020/6/30発売)
東京創元社
<あらすじ>
夢の中では間抜けな“蜥蝪のビル”になってしまう大学院生・井森建。彼はある日見た夢の中で、活溌な少年ピーター・パンと心優しい少女ウェンディ、そして妖精ティンカー・ベルらに拾われ、ネヴァーランドと呼ばれる島へやってくる。
だが、ピーターは持ち前の残酷さで、敵である海賊のみならず、己の仲間である幼い“迷子たち”すらカジュアル感覚で殺害する、根っからの殺人鬼であった。
そんなピーターの魔手は、彼を慕うティンカー・ベルにまで迫り…ネヴァーランドの妖精惨殺事件を追うのは殺人鬼ピーター・パン!
文庫版が発売です(下記参照)。
4.『代表取締役アイドル』(2020/6/5発売)
文藝春秋
<あらすじ>
握手会での事件からアイドル活動を停止したささらに大企業から社外取締役の話が。…敏腕美人秘書とともに、ささらはダメ会社の危機を救えるのか?
文庫版が発売です(下記参照)。
単行本は以上です。続いて文庫の新刊を見ていきましょう。
小林泰三の文庫本新刊情報
1.『家に棲むもの』(2024/9/24発売)
文庫最新刊、短編集
KADOKAWA
<あらすじ>
――天井を見ていると、引き摺り込まれちまうよ。畳は腐り梁は限界、崩れ落ちそうな巨大な襤褸屋敷――
姑の世話をするため、文子は単身赴任の夫と離れ、娘と姑の3人でこの家に暮らし始めた。屋敷に住み続けることに並々ならぬ執着を見せる姑、家の中で不審死を遂げた舅の噂、娘だけが目撃する謎の老婆。そして屋敷中で感じる不気味な気配……違和感の数々に導かれ、やがて文子はこの家に隠された驚愕の真実に直面する(「家に棲むもの」)。
ホラー短編の鬼才が放つ悪夢の7編。
2003年刊行作品の文庫新装版です。
2.『五人目の告白』(2024/7/19発売)
短編集
東京創元社
<あらすじ>
自分の中には凶悪な人格が眠っている──記憶にない動物殺しや対人トラブルに苦しむ青年は、ノートを介して「敵対者」との対話を試みるが、忌まわしき存在はついに殺人にまで手を染め……二重三重のどんでん返しが待ち受ける「獣の記憶」をはじめ、全六編の掌短編を収録。読む者を巧みに翻弄し、独自のロジック×ゴシック世界へといざなう、『アリス殺し』の鬼才の真骨頂がここに。
3.『時空争奪: 小林泰三SF傑作選』(2024/4/30発売)
短編集
東京創元社
<あらすじ>
「川はどこから始まるのか、君は知っとるのかね?」──河川の形成についての問答を起点に、宇宙の恐るべき成り立ちを暴き出す表題作や、算盤(そろばん)とメモ用紙によってシミュレートされた世界の悲劇を描いた「予(あらかじ)め決定されている明日」など、初期の傑作群を中心に六編を集成。堅牢な論理の積み重ねによって、狂気に満ちた架空世界を築き上げる、『アリス殺し』の鬼才の原点がここに。
4.『肉食屋敷』(2023/12/22発売)
KADOKAWA
<あらすじ>
「山の頂上にドラム缶を積んだトラックが放置されているので対処して欲しい」村民からの苦情を受けた村役場勤務の“わたし”は、現場の土地に建つ科学研究施設に向かう。異常な湿気の森に佇む、増改築を繰り返したまるで怪物のような屋敷――そこで“わたし”は建物の持ち主に、太古のDNAから復元したという地球外生命体の処分を頼まれるが……(「肉食屋敷」)。
邪悪を極めた4編を収録。『玩具修理者』『人獣細工』に続く第3作品集。
1998年刊行作品の文庫新装版です。
5.『AΩ 超空想科学怪奇譚』(2023/8/24発売)
KADOKAWA
<あらすじ>
旅客機の墜落事故が発生。凄惨な事故に生存者は皆無だったが、諸星隼人は一本の腕から再生し蘇った。奇妙な復活劇の後、異様な事件が隼人の周りで起き始める。
謎の新興宗教「アルファ・オメガ」の台頭、破壊の限りを尽くす大怪獣の出現。そして巨大な「超人」への変身――
宇宙生命体“ガ”によって生まれ変わり人類を救う戦いに身を投じた隼人が直面したのは、血肉にまみれた地獄だった。
2004年刊行作品の文庫新装版です。
文庫本の新刊情報は以上になります。
まとめ
それぞれおさらいします。
■単行本新刊
- 『はじめから国宝、なんてないのだ。感性をひらいて日本美術を鑑賞する』(2023/12/20発売)
- 『未来からの脱出』
(2020/8/26発売) - 『ティンカー・ベル殺し』
(2020/6/30発売) - 『代表取締役アイドル』
(2020/6/5発売)
■文庫本新刊
- 『家に棲むもの』(2024/9/24発売)
- 『五人目の告白』(2024/7/19発売)
- 『時空争奪: 小林泰三SF傑作選』(2024/4/30発売)
- 『肉食屋敷』(2023/12/22発売)
- 『AΩ 超空想科学怪奇譚』(2023/8/24発売)
コンスタントに作品を発表し続けていた小林泰三さんでしたが、新作がもう読めなくなるのは残念です。関連書籍が刊行されましたら、今後も掲載していきます。
それでは、良い読書体験を。
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