『柔らかな頬』(1999年)で第121回直木賞を受賞した桐野夏生さん。人の心の闇を如実に描写し、ぐいぐいと迫ってくるストーリー展開にはハートが揺さぶられます。
そんな桐野夏生さんの単行本と文庫の新刊情報をまとめました!
それぞれ最新刊から最大5冊を紹介しています。
※新刊予定については新刊情報が入り次第、単行本と文庫の「1.」に記載します
桐野夏生の単行本新刊情報
1.『オパールの炎』(2024/6/7発売)
最新刊
中央公論新社
<あらすじ>
時代に先駆けてピル解禁を訴えていた女は――突然、姿を消した。謎多き女をめぐる証言から、世の“理不尽”を抉りだす圧巻の傑作長篇。
単行本の最新刊になります。
2.『もっと悪い妻』(2023/6/23発売)
短編集
文藝春秋
<あらすじ>
男たちの身勝手さを、一行で打ち砕く桐野文学の極北!夫公認のもと、元恋人と自由な時間を過ごす妻を描いた表題作「もっと悪い妻」など、計六作の短編を収録。
「麻耶は大事だと思っている人が他にいるの?」
「いるよ。男でも親友になれるよ」
「それはそうだろうけれど。困ったな」
(「もっと悪い妻」より)ネット上で〈悪妻〉と批判されることに悩むバンドのヴォーカルの妻を描いた「悪い妻」。
妻と離婚した後、若い女性にしつこく迫る壮年の男性の哀歓を伝える「武蔵野線」など、男と女のカタチを切り取った現代の「悪妻論」。
3.『真珠とダイヤモンド』(2023/2/2発売)
毎日新聞出版
<あらすじ>
1986年春。二人の女が福岡の証券会社で出会った。一人は短大卒の小島佳那(かな)、もう一人は高卒の伊藤水矢子(みやこ)。貧しい家庭に生まれ育った二人は、それぞれ2年後に東京に出ていく夢を温めていた。野心を隠さず、なりふり構わずふるまう同期、望月昭平に見込まれた佳那は、ある出来事を契機に彼と結託し、マネーゲームの渦に身を投じていく。
4.『燕は戻ってこない』(2022/3/4発売)
集英社
<あらすじ>
この身体こそ、文明の最後の利器。29歳、女性、独身、地方出身、非正規労働者。子宮・自由・尊厳を赤の他人に差し出し、東京で「代理母」となった彼女に、失うものなどあるはずがなかった――。
北海道での介護職を辞し、憧れの東京で病院事務の仕事に就くも、非正規雇用ゆえに困窮を極める29歳女性・リキ。
「いい副収入になる」と同僚のテルに卵子提供を勧められ、ためらいながらもアメリカの生殖医療専門クリニック「プランテ」の日本支部に赴くと、国内では認められていない〈代理母出産〉を持ち掛けられ……。
文庫版が発売です(下記参照)。
5.『砂に埋もれる犬』(2021/10/7発売)
朝日新聞出版
<あらすじ>
小学校にも通わせてもらえず、日々の食事もままならない生活を送る優真。母親の亜紀は刹那的な欲望しか満たそうとせず、同棲相手の男に媚びるばかりだ。そんな最悪な環境のなか、優真が虐待を受けているのではないかと手を差し伸べるコンビニ店主が現れる――。
ネグレクトによって家族からの愛を受けぬまま思春期を迎えた少年の魂は、どこへ向かうのか。その乾いた心の在りようを物語に昇華させた傑作長編小説。
単行本は以上です。続いて文庫の新刊を見ていきましょう!
桐野夏生の文庫本新刊情報
1.『インドラネット』(2024/7/25発売)
文庫最新刊
KADOKAWA
<あらすじ>
平凡な顔、運動神経は鈍く、勉強も得意ではない――何の取り柄もないことに強いコンプレックスを抱いて生きてきた八目晃は、非正規雇用で給与も安く、ゲームしか夢中になれない無為な生活を送っていた。唯一の誇りは、高校の同級生で、カリスマ性を持つ野々宮空知と、美貌の姉妹と親しく付き合ったこと。だがその空知が、カンボジアで消息を絶ったという。空知の行方を追い、東南アジアの混沌の中に飛び込んだ晃。
そこで待っていたのは、美貌の三きょうだいの凄絶な過去だった……
2021年刊行の単行本の文庫版です。
2.『燕は戻ってこない』(2024/3/19発売)
集英社
<あらすじ>
29歳、女性、独身、地方出身、非正規労働者。子宮・自由・尊厳を赤の他人に差し出し、東京で「代理母」となった彼女に、失うものなどあるはずがなかった――。
北海道での介護職を辞し、憧れの東京で病院事務の仕事に就くも、非正規雇用ゆえに困窮を極める29歳女性・リキ。
「いい副収入になる」と同僚のテルに卵子提供を勧められ、ためらいながらもアメリカの生殖医療専門クリニック「プランテ」の日本支部に赴くと、国内では認められていない〈代理母出産〉を持ち掛けられ……。
2022年刊行の単行本の文庫版です。
3.『日没』(2023/10/14発売)
岩波書店
<あらすじ>
小説家・マッツ夢井のもとに届いた一通の手紙。それは「文化文芸倫理向上委員会」と名乗る政府組織からの召喚状だった。出頭先に向かった彼女は、断崖に建つ海辺の療養所へと収容される。「社会に適応した小説」を書けと命ずる所長。終わりの見えない軟禁の悪夢。「更生」との孤独な闘いの行く末は――。
足下に拡がるディストピアを描き日本を震撼させた衝撃作、待望の文庫化!
2020年刊行の単行本の文庫版です。
4.『メタボラ』(2023/3/8発売)
文藝春秋
<あらすじ>
記憶喪失の「僕」と島を捨てた昭光の、行くあてのない逃避行。社会から疎外された若者たちを通じて現代の貧困を暴き出した問題作!
2007年刊行の単行本の文庫新装版です。
5.『とめどなく囁く』(2022/7/7発売)
幻冬舎
<あらすじ>
塩崎早樹は、相模湾を望む超高級分譲地「母衣山庭園住宅」の瀟洒な邸宅で、歳の離れた資産家の夫と暮らす。前妻を突然の病気で、前夫を海難事故で、互いに配偶者を亡くした者同士の再婚生活には、悔恨と愛情が入り混じる。そんなある日、早樹の携帯が鳴った。
もう縁遠くなったはずの、前夫の母親からだった。ささやきの音源はどこにある
2019年刊行の単行本の文庫版です。
文庫本の新刊情報は以上になります。
まとめ
それぞれおさらいします。
■単行本新刊
- 『オパールの炎』(2024/6/7発売)
- 『もっと悪い妻』(2023/6/23発売)
- 『真珠とダイヤモンド』(2023/2/2発売)
- 『燕は戻ってこない』(2022/3/4発売)
- 『砂に埋もれる犬』(2021/10/7発売)
■文庫本新刊
- 『インドラネット』(2024/7/25発売)
- 『燕は戻ってこない』(2024/3/19発売)
- 『日没』(2023/10/14発売)
- 『メタボラ』(2023/3/8発売)
- 『とめどなく囁く』(2022/7/7発売)
コンスタントに作品を刊行し続けている桐野夏生さん。新作が楽しみな作家の一人です。
引き続き新刊情報を追っていきますので、こちらの記事を気に入っていただけたら、ぜひブックマーク、シェア等をしてもらえると嬉しいです。
それでは、良い読書体験を!
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