1991年に『ハミングで二番まで』で第13回小説推理新人賞を受賞した香納諒一さん。ハードボイルドなサスペンス、ミステリーを手がける人気作家です。
そんな香納諒一さんの単行本と文庫の新刊情報をまとめました!
それぞれ最新刊から最大5冊を紹介しています。
※新刊予定については新刊情報が入り次第、単行本と文庫の「1.」に記載します
それでは、簡単なあらすじを含めてそれぞれ見ていきましょう。
香納諒一の単行本新刊情報
1.『鉄のほころび 刑事花房京子』(2024/8/21発売)
最新刊
徳間書店
<あらすじ>
一片の死角なし。最大の敵、現る。無人のはずの工場で爆発が起き男が死んだ。現場に残されたパソコンから、国際テロ組織の指示による爆弾製作中の事故の可能性が浮上。
警視庁がその線で捜査を進める中、花房京子が男の遺留品を辿り接触したのは、元公安の犯罪評論家としてメディアを賑わす角松麻由子だった。
だが、週刊誌が角松と男の繋がりをスクープし、事態は予想外の方向へ。
手練と技巧が冴え渡る倒叙ミステリーシリーズ!
単行本はこちらが最新刊になります。
2.『川崎警察 真夏闇』(2024/4/12発売)
徳間書店
<あらすじ>
京浜運河沿いで死体があがった。身元は暴力団員、伊波肇の母親照子。陰部をナイフで抉られ、腹部から腸がはみ出る陰惨な殺しだ。対抗する組の犯行か? だが、家族には手を出さないのがヤクザの掟だ。それが破られたとなると、報復の連鎖で大変なことになる……。
発見現場に臨場した川崎警察署捜査係デカ長の車谷一人は、軽のバンの荷台から不審な荷物を下ろして走り去ったふたり組の男がいたことを聞きつける。男の一人は足を大きく引きずっていたという。
被害者は故郷の沖縄に里帰りし、事件当日午後二時着の飛行機で羽田空港に帰ってきた。だがその後の足跡が不明だった。
翌年五月に沖縄は本土返還を控えており、帰郷はそれからの方が便利ではという大家に「返還されてからでは、遅い」と伝えたという。捜査を進めるうちに、空港から照子を軽バンに乗せたのが、死体発見現場で目撃されたふたり組で、どうやら照子の知り合いらしきことがわかった。
有力容疑者として浮かびあがった男を、全力で探す車谷。だが、予想外のところで別の殺人事件が起きた。被害者は沖縄の開発や本土との交流に尽力しているという大阪の会社社長。
本土復帰を目前にした沖縄を食い物にしようする者たちの暗躍が明らかになるにつれ、ふたつの事件が絡み合っていく……
3.『砂時計 警視庁強行犯係捜査日誌』(2023/10/28発売)
短編集
徳間書店
<あらすじ>
マンションの一室で三十八歳の女性が死亡。大量の睡眠薬をアルコールとともに服用したことで昏睡状態となり死に至ったようだ。
テーブルには「疲れました。ごめんなさい」と印字された遺書らしきプリントも。自死と思われたが、所轄は警視庁捜査一課の大河内茂雄部長刑事に現場への臨場を依頼した。不自然なことが多かったのだ。部屋のパソコンからはここ数カ月のメールが消去されていたし、死の前日にスーパーの宅配サービスに注文を入れていることもわかった。
マンション住人からの聞き込みから、複数の男の出入りが確認され、事件当夜には男女の言い争う声も聞かれていた。大河内刑事は、被害者が中学生のときに父親が殺人を犯していたことをつきとめる。また被害者は二年前にも大量の睡眠薬を服用し病院に搬送されたこともわかった。捜査を進めるうちに、被害者のまわりでうごめく黒い影に存在に気づく……
事件の謎に挑む警視庁捜査一課強行犯係のベテラン刑事の活躍を描く3篇。
切なさと救い溢れる3つのラスト。読者を半泣きさせる書下ろし警察小説。心揺さぶる哀切のミステリーロマン誕生!
4.『絶対聖域 刑事花房京子』(2023/7/20発売)
光文社
<あらすじ>
刑務所で起こった元受刑者の首吊り死。花房京子は自殺の推定を疑い、完全犯罪の高い壁に挑む! 名手の技が光る!
傑作倒叙ミステリーの精華がここに。
5.『川崎警察 下流域』(2023/1/28発売)
徳間書店
<あらすじ>
1970年代の川崎。京浜工業地帯として発展する裏で、ヘドロで漁ができなくなった漁師たちが、漁業権や船舶の買い上げと、補償金をエサに立ち退きを迫られ、漁民の間に分断と対立が生じていた。また新興工業地帯には朝鮮や沖縄からの流入者も多く住み、住民問題は複雑化していた。
そんな土地で、多摩川河口に溺死体があがった。遺体は元漁師の矢代太一と判明。彼は漁業権問題で漁民をまとめる交渉役だった。だが遺体には複数の打撲痕が認められ、漁師の溺死という不自然さと併せて事件性をうかがわせた。そして遺品にはなぜかキーホルダーがふたつあり、自宅以外にも家があるようだった。
川崎警察署刑事課のデカ長、車谷一人は、ベテラン捜査員たちや新米刑事の沖修平らを叱咤しながら捜査に乗り出す。
矢代は漁師をやめて得た補償金で、夫婦で食堂を始めたが、妻の死によって店をたたみ、いまは次男と暮らしていた。居酒屋やクラブで酒を飲むだけが楽しみだったという。漁業権放棄問題では対立する漁師グループから恨みも買っていたことがわかった。
被害者の足取りを追ううちに、矢代は居酒屋で飲んでいるところに若い女性から電話がかかり、慌てたようにして店を出て行ったことがわかった。事件が報道されると、矢代に離れの部屋を貸していたという夫婦から川崎署に電話が入った。しかも義理の娘とふたりで借りていたという。
矢代には息子が二人いたが、ともに独身で、義理の娘などはいなかった。手がかりを得た車谷たちは、不審死事件の背後に横たわる予想外に深い泥沼に足を踏み入れることになるが……
単行本は以上です。続いて文庫の新刊を見ていきましょう!
香納諒一の文庫本新刊情報
1.『刑事群像』(2024/11/8発売)
文庫最新刊
徳間書店
<あらすじ>
湾岸道路・環七大井ふ頭から京浜運河へと向かう路上で女性の全裸死体が発見された。
被害者は経営コンサルタントの坂上実咲。殺人事件として捜査一課小林班が動き始める。被害者の奔放な異性関係が明らかになり、携帯電話の通話履歴からは元刑事の名前も見つかった。捜査一課中本班の沢崎昌午。
中本班への聞き込みで、二年前に起きた殺人事件がふたりを結び付けていたことがわかった。黒幕にたどりつけず中本班に苦い記憶を残した「プライベートバンカー殺害事件」。
沢崎はその捜査で重傷を負い辞職していた。そしてその事件で資金洗浄に関わった容疑者として浮上したのが坂上実咲だったのだ。捜査一課は、小林班と中本班の合同体制をとる。愛人の会社社長、暴力団、ホスト、婚約者、覚醒剤の売人……事件の周辺にうごめく男たちの欲望が黒い影を落とすなか、苦闘のすえに刑事たちが辿りついた意外な真実とは…
警察小説の名手が満を持して放つ傑作長篇!
2015年の単行本の文庫版です。
2.『新宿花園 裏交番 旅立ち』(2024/9/12発売)
祥伝社
<あらすじ>
新宿を縄張りとする暴力団仁英会会長の今岡が、襲撃された。対立する嘉多山興業の仕業か。歌舞伎町花園神社裏の交番に勤務する巡査坂下浩介は、乱暴な捜査で左遷されてきた元刑事根室と現場に遭遇。仁英会幹部のひとりは、浩介の高校野球部を去った恩師西沖だった……。
やがて抗争は激化し、二人は直接対峙することに。すべての真実を知った浩介が、明日、歩む道とは?
3.『新宿花園裏交番 街の灯り』(2024/7/11発売)
祥伝社
<あらすじ>
終電過ぎの街で一人の若い娘が消えた、ありふれた話――。歌舞伎町花園神社裏、ジャンボ交番の巡査坂下浩介は、違法ドラッグ摘発のためのクラブ捜索で、行方の手掛かりを掴む。だが、容疑者として浮上した青年実業家大津のガードは、難攻不落だった!
先輩山口とともに、坂下は消えた娘の足跡を洗い直すが……。歌舞伎町に行き交う人々の光と影を描く警察サスペンス!
4.『新宿花園裏交番 ナイトシフト』(2024/5/10発売)
祥伝社
<あらすじ>
コロナ感染症の爆発的拡大で静まりかえった、日本最大の歓楽街新宿歌舞伎町。若手交番巡査の坂下浩介と内藤章助は、人を襲うカラスがいるという苦情により出動する。だが、巣のあるビル屋上に何者かの死体が……。
折しも所轄署で感染者のクラスターが発生。イレギュラーな捜査体制下、死体に関係する暴力団の組事務所にウイルスらしきものが持ち込まれ、全員が発症した!
人気歌舞伎町警察小説シリーズ連続刊行!
2022年の単行本の文庫版です。
5.『女警察署長 K・S・P 〈新装版〉』(2024/1/12発売)
徳間書店
<あらすじ>
盗まれた妻のヴァイオリンを探してほしい―—。署長の村井貴里子は都知事の仲立ちで引き合わされたアメリカ人石油王から突飛な依頼を受けた。特捜部チーフ・沖幹次郎と捜索を開始するが、あの男が立ちはだかる。チャイニーズマフィア・五虎界の朱栄志。三年前、壮絶な銃撃戦のすえに取り逃がした怨敵だ。
再び死闘がはじまる。なぜ、栄志もヴァイオリンの入手に執念を燃やすのか。貴里子と沖を待っていたのは驚愕の真相だった。
累計20万部を超える人気シリーズ第四弾。新任署長を待ち受ける試練!
2012年の単行本の文庫新装版です。
文庫本の新刊情報は以上になります。
まとめ
それぞれおさらいします。
■単行本新刊
- 『鉄のほころび 刑事花房京子』(2024/8/21発売)
- 『川崎警察 真夏闇』(2024/4/12発売)
- 『砂時計 警視庁強行犯係捜査日誌』(2023/10/28発売)
- 『絶対聖域 刑事花房京子』(2023/7/20発売)
- 『川崎警察 下流域』(2023/1/28発売)
■文庫本新刊
- 『刑事群像』(2024/11/8発売)
- 『新宿花園 裏交番 旅立ち』(2024/9/12発売)
- 『新宿花園裏交番 街の灯り』(2024/7/11発売)
- 『新宿花園裏交番 ナイトシフト』(2024/5/10発売)
- 『女警察署長 K・S・P 〈新装版〉』(2024/1/12発売)
コンスタントに作品を発表している香納諒一さん。次作が楽しみですね。
それでは、良い読書体験を!
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