1991年に『ハミングで二番まで』で第13回小説推理新人賞を受賞した香納諒一さん。ハードボイルドなサスペンス、ミステリーを手がける人気作家です。
そんな香納諒一さんの単行本と文庫の新刊情報をまとめました!
それぞれ最新刊から最大5冊を紹介しています。
※新刊予定については新刊情報が入り次第、単行本と文庫の「1.」に記載します
それでは、簡単なあらすじを含めてそれぞれ見ていきましょう。
香納諒一の単行本新刊情報
1.『川崎警察 真夏闇』(2024/4/12発売)
最新刊
徳間書店
<あらすじ>
京浜運河沿いで死体があがった。身元は暴力団員、伊波肇の母親照子。陰部をナイフで抉られ、腹部から腸がはみ出る陰惨な殺しだ。対抗する組の犯行か? だが、家族には手を出さないのがヤクザの掟だ。それが破られたとなると、報復の連鎖で大変なことになる……。
発見現場に臨場した川崎警察署捜査係デカ長の車谷一人は、軽のバンの荷台から不審な荷物を下ろして走り去ったふたり組の男がいたことを聞きつける。男の一人は足を大きく引きずっていたという。
被害者は故郷の沖縄に里帰りし、事件当日午後二時着の飛行機で羽田空港に帰ってきた。だがその後の足跡が不明だった。
翌年五月に沖縄は本土返還を控えており、帰郷はそれからの方が便利ではという大家に「返還されてからでは、遅い」と伝えたという。捜査を進めるうちに、空港から照子を軽バンに乗せたのが、死体発見現場で目撃されたふたり組で、どうやら照子の知り合いらしきことがわかった。
有力容疑者として浮かびあがった男を、全力で探す車谷。だが、予想外のところで別の殺人事件が起きた。被害者は沖縄の開発や本土との交流に尽力しているという大阪の会社社長。
本土復帰を目前にした沖縄を食い物にしようする者たちの暗躍が明らかになるにつれ、ふたつの事件が絡み合っていく……
単行本はこちらが最新刊になります。
2.『砂時計 警視庁強行犯係捜査日誌』(2023/10/28発売)
短編集
徳間書店
<あらすじ>
マンションの一室で三十八歳の女性が死亡。大量の睡眠薬をアルコールとともに服用したことで昏睡状態となり死に至ったようだ。
テーブルには「疲れました。ごめんなさい」と印字された遺書らしきプリントも。自死と思われたが、所轄は警視庁捜査一課の大河内茂雄部長刑事に現場への臨場を依頼した。不自然なことが多かったのだ。部屋のパソコンからはここ数カ月のメールが消去されていたし、死の前日にスーパーの宅配サービスに注文を入れていることもわかった。
マンション住人からの聞き込みから、複数の男の出入りが確認され、事件当夜には男女の言い争う声も聞かれていた。大河内刑事は、被害者が中学生のときに父親が殺人を犯していたことをつきとめる。また被害者は二年前にも大量の睡眠薬を服用し病院に搬送されたこともわかった。捜査を進めるうちに、被害者のまわりでうごめく黒い影に存在に気づく……
事件の謎に挑む警視庁捜査一課強行犯係のベテラン刑事の活躍を描く3篇。
切なさと救い溢れる3つのラスト。読者を半泣きさせる書下ろし警察小説。心揺さぶる哀切のミステリーロマン誕生!
3.『絶対聖域 刑事花房京子』(2023/7/20発売)
光文社
<あらすじ>
刑務所で起こった元受刑者の首吊り死。花房京子は自殺の推定を疑い、完全犯罪の高い壁に挑む! 名手の技が光る!
傑作倒叙ミステリーの精華がここに。
4.『川崎警察 下流域』(2023/1/28発売)
徳間書店
<あらすじ>
1970年代の川崎。京浜工業地帯として発展する裏で、ヘドロで漁ができなくなった漁師たちが、漁業権や船舶の買い上げと、補償金をエサに立ち退きを迫られ、漁民の間に分断と対立が生じていた。また新興工業地帯には朝鮮や沖縄からの流入者も多く住み、住民問題は複雑化していた。
そんな土地で、多摩川河口に溺死体があがった。遺体は元漁師の矢代太一と判明。彼は漁業権問題で漁民をまとめる交渉役だった。だが遺体には複数の打撲痕が認められ、漁師の溺死という不自然さと併せて事件性をうかがわせた。そして遺品にはなぜかキーホルダーがふたつあり、自宅以外にも家があるようだった。
川崎警察署刑事課のデカ長、車谷一人は、ベテラン捜査員たちや新米刑事の沖修平らを叱咤しながら捜査に乗り出す。
矢代は漁師をやめて得た補償金で、夫婦で食堂を始めたが、妻の死によって店をたたみ、いまは次男と暮らしていた。居酒屋やクラブで酒を飲むだけが楽しみだったという。漁業権放棄問題では対立する漁師グループから恨みも買っていたことがわかった。
被害者の足取りを追ううちに、矢代は居酒屋で飲んでいるところに若い女性から電話がかかり、慌てたようにして店を出て行ったことがわかった。事件が報道されると、矢代に離れの部屋を貸していたという夫婦から川崎署に電話が入った。しかも義理の娘とふたりで借りていたという。
矢代には息子が二人いたが、ともに独身で、義理の娘などはいなかった。手がかりを得た車谷たちは、不審死事件の背後に横たわる予想外に深い泥沼に足を踏み入れることになるが……
5.『新宿花園裏交番 ナイトシフト』(2022/6/9発売)
祥伝社
<あらすじ>
歌舞伎町ゴールデン街に接するジャンボ交番の若手、坂下浩介と内藤章助は、コロナで静まり返った街でカラスが我が物顔にふるまう苦情を受けた。だが、巣のあるビル屋上には、何者かの白骨死体が……。現場の老朽ビル群は、反社不動産屋同士が再開発を巡って暗闘。折しも日本初の官公庁クラスターが所轄署で発生して、周囲の署が連携する不規則な体制で捜査は進められることになった。
さらに、白骨死体に関わるとみられた組事務所はコロナウイルスと思しきものが持ち込まれ、組員一同が発症していた!
事件の続発に、眠らない街を疾駆する坂下と内藤! 緊急事態宣言下の新宿、混沌とする夜は明けるのか!?
単行本は以上です。続いて文庫の新刊を見ていきましょう!
香納諒一の文庫本新刊情報
1.『女警察署長 K・S・P 〈新装版〉』(2024/1/12発売)
文庫最新刊
徳間書店
<あらすじ>
盗まれた妻のヴァイオリンを探してほしい―—。署長の村井貴里子は都知事の仲立ちで引き合わされたアメリカ人石油王から突飛な依頼を受けた。特捜部チーフ・沖幹次郎と捜索を開始するが、あの男が立ちはだかる。チャイニーズマフィア・五虎界の朱栄志。三年前、壮絶な銃撃戦のすえに取り逃がした怨敵だ。
再び死闘がはじまる。なぜ、栄志もヴァイオリンの入手に執念を燃やすのか。貴里子と沖を待っていたのは驚愕の真相だった。
累計20万部を超える人気シリーズ第四弾。新任署長を待ち受ける試練!
2012年の単行本の文庫新装版です。
2.『噛む犬 K・S・P 〈新装版〉』(2023/10/11発売)
徳間書店
<あらすじ>
新宿を牛耳る神竜会の構成員が射殺された。東京進出を目論む関西系暴力団・共和会傘下の鳴海興業による凶行だ。さらに神竜会幹部までもが中国マフィアの手で爆殺。背後には新宿土地利権の闇が横たわる。果て無き勢力争いと報復。凶悪犯罪組織に敢然と立ち向かう沖幹次郎らK・S・P特捜部を、やがて悲劇が襲う。
刑事として、人としての葛藤に裂かれた魂の極限を描く、警察小説の金字塔。
2011年の単行本の文庫新装版です。
3.『毒のある街 K・S・P 〈新装版〉』(2023/7/7発売)
徳間書店
<あらすじ>
新宿を牛耳る神竜会の構成員が射殺された。東京進出を目論む関西系暴力団・共和会傘下の鳴海興業による凶行だ。さらに神竜会幹部までもが中国マフィアの手で爆殺。背後には新宿土地利権の闇が横たわる。果て無き勢力争いと報復。凶悪犯罪組織に敢然と立ち向かう沖幹次郎らK・S・P特捜部を、やがて悲劇が襲う。
刑事として、人としての葛藤に裂かれた魂の極限を描く、警察小説の金字塔。
2008年の単行本の文庫新装版です。
4.『孤独なき地 K・S・P 〈新装版〉』(2023/4/13発売)
徳間書店
<あらすじ>
新署長赴任の朝、署の正面玄関前で衝撃的事件が起きた。刑事と、連行中の容疑者が雑居ビルから狙撃されたのだ。目の前で事件に遭遇したK・S・P(警視庁歌舞伎町特別分署)の沖幹次郎刑事は射殺犯を追う。銃撃戦の末、狙撃犯のひとりを仕留めるが、残るひとりは逃亡した。だが、それは新宿に血腥い嵐が吹き荒れる序章にすぎなかった……
新宿を血で染めるチャイニーズマフィアと暴力団の抗争。野性刑事・沖幹次郎が真相を求めて疾駆する! 長篇ハードアクション。
2007年の単行本の文庫新装版です。
5.『新宿花園裏交番 坂下巡査』(2022/7/13発売)
祥伝社
<あらすじ>
“やつはヤクザで、おまえは警官なんだ”会うはずのなかった世界が交わる街。ヤバくて熱い夜――
元高校球児の新米巡査坂下浩介、27歳。歌舞伎町ゴールデン街に接し、「裏ジャンボ交番」とも呼ばれる花園裏交番に配属――。
ある夜、ホステスが貯め込んだ大金の盗難事件を追って、殺人に遭遇した。容疑者が死体で発見されたのだ。さらに、高校時代に消息を絶った元野球部監督の西沖に、現場で再会。暴力団仁英会の顔となっていた恩師の言葉で、捜査は急展開した!
2019年の単行本の文庫化作品です。
文庫本の新刊情報は以上になります。
まとめ
それぞれおさらいします。
■単行本新刊
- 『川崎警察 真夏闇』(2024/4/12発売)
- 『砂時計 警視庁強行犯係捜査日誌』(2023/10/28発売)
- 『絶対聖域 刑事花房京子』(2023/7/20発売)
- 『川崎警察 下流域』(2023/1/28発売)
- 『新宿花園裏交番 ナイトシフト』(2022/6/9発売)
■文庫本新刊
- 『女警察署長 K・S・P 〈新装版〉』(2024/1/12発売)
- 『噛む犬 K・S・P 〈新装版〉』(2023/10/11発売)
- 『毒のある街 K・S・P 〈新装版〉』(2023/7/7発売)
- 『孤独なき地 K・S・P 〈新装版〉』(2023/4/13発売)
- 『新宿花園裏交番 坂下巡査』(2022/7/13発売)
コンスタントに作品を発表している香納諒一さん。次作が楽しみですね。
それでは、良い読書体験を!
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