- 1990年代:7作品
- 2000年代:39作品
- 2010年~20年代:23作品、5作品
※多作のためページが重くなるため分割しています。年表をめくっていくつもりで見ていただければ幸いです
直木賞作家・恩田陸は小説、エッセイ、絵本といったさまざまな形の本を多く生み出しています。
本屋大賞受賞作『夜のピクニック』、直木賞受賞作『蜜蜂と遠雷』があまりにも有名ですが、それ以外にもたくさん心に響く作品を発表しています。
そこで、恩田陸作品を刊行順(出版順)に紹介していきます!
また、恩田陸作品は多ジャンルに渡りますので、タイトル下にジャンルも記載しました。便宜上当てはめていますが参考までに。
1990年代:7作品
1.『六番目の小夜子』(1992年)
ミステリー
<あらすじ>
津村沙世子―とある地方の高校にやってきた、美しく謎めいた転校生。高校には十数年間にわたり、奇妙なゲームが受け継がれていた。三年に一度、サヨコと呼ばれる生徒が、見えざる手によって選ばれるのだ。
そして今年は、「六番目のサヨコ」が誕生する年だった。学園生活、友情、恋愛。やがては失われる青春の輝きを美しい水晶に封じ込め、漆黒の恐怖で包みこんだ、伝説のデビュー作
新潮社の「第3回ファンタジーノベル大賞」で最終選考まで残った作品で、こちらがデビュー作になります。
ファンタジーの賞ですがミステリー要素が強く、恩田陸の原点が垣間見えます。
おすすめ!
2.『球形の季節』(1994年)
ホラー
<あらすじ>
四つの高校が居並ぶ、東北のある町で奇妙な噂が広がった。「地歴研」のメンバーは、その出所を追跡調査する。やがて噂どおり、一人の女生徒が姿を消した。町なかでは金平糖のおまじないが流行り、生徒たちは新たな噂に身を震わせていた……。何かが起きていた。
退屈な日常、管理された学校、眠った町。全てを裁こうとする超越的な力が、いま最後の噂を発信した! 新鋭の学園モダンホラー。
3.『不安な童話』(1994年)
ミステリー
<あらすじ>
私は知っている、このハサミで刺し殺されるのだ――。強烈な既視感に襲われ、女流画家・高槻倫子の遺作展で意識を失った古橋万由子。彼女はその息子から「25年前に殺された母の生まれ変わり」と告げられる。
時に、溢れるように広がる他人の記憶。そして発見される倫子の遺書、そこに隠されたメッセージとは……。
犯人は誰なのか、その謎が明らかになる時、禁断の事実が浮かび上がる。
4.『三月は深き紅の淵を』(1997年)
ミステリー
<あらすじ>
鮫島巧一は趣味が読書という理由で、会社の会長の別宅に二泊三日の招待を受けた。彼を待ち受けていた好事家たちから聞かされたのは、その屋敷内にあるはずだが、十年以上探しても見つからない稀覯本『三月は深き紅の淵を』の話。
たった一人にたった一晩だけ貸すことが許された本をめぐる珠玉のミステリー。
5.『光の帝国 常野物語』(1997年)
ファンタジー
短編集
<あらすじ>
膨大な書物を暗記するちから、遠くの出来事を知るちから、近い将来を見通すちから―「常野」から来たといわれる彼らには、みなそれぞれ不思議な能力があった。穏やかで知的で、権力への思向を持たず、ふつうの人々の中に埋もれてひっそりと暮らす人々。彼らは何のために存在し、どこへ帰っていこうとしているのか?不思議な優しさと淡い哀しみに満ちた、常野一族をめぐる連作短編集。
優しさに満ちた壮大なファンタジーの序章。
常野物語シリーズ第一作にあたります。
おすすめ!
6.『象と耳鳴り』(1999年)
ミステリー
短編集
<あらすじ>
「あたくし、象を見ると耳鳴りがするんです」退職判事・関根多佳雄が立ち寄った喫茶店。上品な婦人が語り始めたのは少女時代に英国で遭遇した、象による奇怪な殺人事件だった……。表題作をはじめ、子供たちの会話、一枚の写真、携帯電話など、なにげないテーマに潜む謎を、鮮やかな手さばきで解き明かすロジックの芳醇なる結晶。
幻惑と恍惚の本格推理コレクション!
おすすめ!
7.『木曜組曲』(1999年)
ミステリー
耽美派小説の巨匠、重松時子が薬物死を遂げてから、四年。
時子に縁の深い女たちが今年もうぐいす館に集まり、彼女を偲ぶ宴が催された。ライター絵里子、流行作家尚美、純文学作家つかさ、編集者えい子、出版プロダクション経営の静子。
なごやかな会話は、謎のメッセージをきっかけに、告発と告白の嵐に飲み込まれてしまう。はたして時子の死は、自殺か、他殺か――? 長篇心理ミステリー。
1990年代はここまでとなります。1992年のデビューから8年で7作で1年に1作ペース。しかし驚くべきは次の2000年代。10年でなんと39作品!
それでは次のページで2000年代を紹介します。本屋大賞受賞作も登場。