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ちょっと気分が落ちたり、何でもいいからとにかく笑いたかったり、「笑う」ことで気持ちを軽くしたい時ってありますよね。
コメディ映画やお笑いコントの映像を見るのもオススメですが、小説にも「笑える」作品は多くあります。
そこで現役小説家の私が、おすすめの「心の底から笑える小説」をランキング形式で紹介いたします!
「笑える小説」おすすめランキング10作
1.『怪笑小説』(東野圭吾/1998年)
集英社
<あらすじ>
年金暮らしの老女が芸能人の“おっかけ”にハマり、乏しい財産を使い果たしていく「おつかけバアさん」、“タヌキには超能力がある、UFOの正体は文福茶釜である”という説に命を賭ける男の「超たぬき理論」、周りの人間たちが人間以外の動物に見えてしまう中学生の悲劇「動物家族」…etc.ちょっとブラックで、怖くて、なんともおかしい人間たち! 多彩な味つけの傑作短篇集。
まずは東野圭吾さんの『怪笑小説』です!
東野圭吾さんと言えばミステリー小説の巨星ですが、笑える作品も刊行しています。
こちらは9作を収録した短編集で、どの作品も変な人たちが登場。抱腹絶倒なブラックなノリのストーリーを展開します。
シリーズ化されており、現在3作が刊行されています。いずれもおかしさ満点です。
関連記事>また、東野圭吾さんはコメディタッチの作品を多く発表しています。以下の記事にもまとめていますので、興味を持たれましたらぜひチェックしてみてくださいね。
東野圭吾の笑える小説をすべて紹介、あらすじまとめ【心から笑いたい時に】
関連記事>2.『イン・ザ・プール』(奥田英朗/2002年)
文藝春秋
<あらすじ>
精神科医・伊良部一郎。彼のもとを訪れる悩める者たちは、誰もが驚き呆れる。「どっちが患者なのか?」。水泳中毒、ケータイ中毒、慢性勃起症状……、患者たちは稚気溢れる伊良部の姿に、己の深刻なる悩みがバカらしくなり、やがて……
現代世相の病理を、コミカルかつ軽妙な筆致で描き出した怪作。
2位は奥田英朗さんの『イン・ザ・プール』。
5作を収録した短編集。変人精神科医・伊良部一郎(いらぶ・いちろう)の元に、変人患者たちがやってくるというストーリーは、最強の矛と最強の盾による闘いのようです。
シリーズ化されており、2作目の『空中ブランコ』は第131回直木賞受賞作。
伊良部シリーズは続きの『空中ブランコ』『町長選挙』、いずれも笑える作品ですので、ぜひ続編も読んでみてくださいね。
奥田英朗「精神科医/伊良部シリーズ」の読む順番、あらすじまとめ【変人】
関連記事>3.『笑うな』(筒井康隆/1975年)
新潮社
<あらすじ>
ダタイム・マシンを発明して、直前に起った出来事を眺める「笑うな」など、ユニークな発想とブラックユーモアのショートショート集。
3位は筒井康隆さんのショートショート集。
小松左京さん、星新一さんと並んで「SF御三家」と呼ばれるだけに、奇想天外なアイデアとブラックユーモアで、これでもかと笑わせにきます。
古い作品ですが、今読んでも笑いは不変だなあと感じさせる「笑いの名作」です。
4.『ドミノ』(恩田陸/2001年)
KADOKAWA
<あらすじ>
些細な事件が大騒動に発展していく、パニックコメディの大傑作!一億の契約書を待つ生保会社のオフィス。下剤を盛られた子役の麻里花。推理力を競い合う大学生。別れを画策する青年実業家。
昼下がりの東京駅、見知らぬ者同士がすれ違うその一瞬、運命のドミノが倒れてゆく!
続いて恩田陸さんの『ドミノ』。
27人もの登場人物が東京駅を舞台に駆け回るという、パニックコメディ作品です。キャラクターの書き分けだけでなく、そのすべてが繋がっているという構成にも驚愕。
2020年に続編の『ドミノin上海』も発売されました。こちらも面白いですよ。
なお、『ドミノ』は、当ブログの恩田陸さん名作10作品にも選ばせていただきました。
関連記事>5.『陽気なギャングが地球を回す』(伊坂幸太郎/2003年)
祥伝社
<あらすじ>
嘘を見抜く名人、天才スリ、演説の達人、精確な体内時計を持つ女。この四人の天才たちは百発百中の銀行強盗だった……はずが、思わぬ誤算が。せっかくの「売上」を、逃走中に、あろうことか同じく逃走中の現金輸送車襲撃犯に横取りされたのだ!
奪還に動くや、仲間の息子に不穏な影が迫り、そして死体も出現。
映画化で話題のハイテンポな都会派サスペンス!
伊坂幸太郎さんの人気作『陽気なギャングが地球を回す』。
キャラクター、設定、ストーリー、そのすべてに笑いの要素が詰まっており、上質なコメディ作品として楽しめます。
こちらもシリーズ化されています。
伊坂幸太郎「陽気なギャングシリーズ」の最新作と読む順番(刊行順)、あらすじまとめ
関連記事>6.『恋文の技術』(森見登美彦/2009年)
ポプラ社
<あらすじ>
京都の大学院から、遠く離れた実験所に飛ばされた男が一人。無聊を慰めるべく、文通修業と称して京都に住むかつての仲間たちに手紙を書きまくる。文中で友人の恋の相談に乗り、妹に説教を垂れるが、本当に想いを届けたい相手への手紙は、いつまでも書けずにいるのだった。
森見さんのこちらの作品を6位に。
青春小説でありながら、クスッと笑える描写のオンパレードで、かっこ悪い主人公の生きざまそのものがユーモアです。
関連記事>7.『オロロ畑でつかまえて』(荻原浩/2009年)
集英社
<あらすじ>
人口わずか三百人。主な産物はカンピョウ、ヘラチョンペ、オロロ豆。超過疎化にあえぐ日本の秘境・大牛郡牛穴村が、村の起死回生を賭けて立ち上がった!ところが手を組んだ相手は倒産寸前のプロダクション、ユニバーサル広告社。この最弱タッグによる、やぶれかぶれの村おこし大作戦『牛穴村 新発売キャンペーン』が、今始まる―。
第十回小説すばる新人賞受賞、ユーモア小説の傑作。
荻原浩さんのデビュー作にして、ユーモア小説の名作です。
広告会社のハチャメチャな村おこし作戦が、読む者の笑いを誘いに誘います。
関連記事>8.『スメル男』(原田宗典/1989年)
講談社
<あらすじ>
ぼくの体に、何かとんでもない変化が起きている。東京全都を嘔吐させるような異臭がぼくの体から漂い始めた。原因はわからない。気弱なぼくを信じてくれる人はたった1人。コンピュータを自在に操る天才少年たちも仲間だ。
八方ふさがりの迷路の中で、今、ぼくのとてつもない青春の冒険が拳をふり上げる。
面白エッセイでおなじみの原田宗典さん。
こちらの小説も、あまりの馬鹿馬鹿しさに思わず笑えてくること必至。「スメル(におい)男」の運命はいかに。
9.『バールのようなもの』(清水義範/1995年)
文藝春秋
<あらすじ>
テレビや新聞でよく使われるバールのようなものって何だろう?この謎の強盗用具をテッテー的に検証してみたら…という表題作ほか、仕事一筋だった隠居老人の愉楽を描いた「秘密倶楽部」、様々な文体を駆使して新聞に掲載されている連載小説の存在を問い直す「新聞小説」など、冴えわたる爆笑小説12篇。
清水義範さんによる短編集。
12編もの「笑える短編」が詰まった作品集は、一家に一冊置いておいても損はありません。軽く手に取って笑うには、最適な短編集です。
10.『銀河ヒッチハイク・ガイド』(ダグラス・アダムス/2005年)
河出書房新社
<あらすじ>
銀河バイパス建設のため、ある日突然、地球が消滅。どこをとっても平凡な英国人アーサー・デントは、最後の生き残りとなる。アーサーは、たまたま地球に居た宇宙人フォードと、宇宙でヒッチハイクをするハメに。必要なのは、タオルと“ガイド”―。
シュールでブラック、途方もなくばかばかしいSFコメディ大傑作。
最後に海外作品を。
イギリスの作家、ダグラス・アダムスによるこちらの作品は、本当に途轍もないほどの馬鹿馬鹿しさが売り。
外国人の笑いのツボは日本のそれとは違うことが多いですが、本作はきっと笑い転げることができるでしょう。
まとめ
- 『怪笑小説』
(東野圭吾/1998年) - 『イン・ザ・プール』
(奥田英朗/2002年) - 『笑うな』
(筒井康隆/1975年) - 『ドミノ』
(恩田陸/2001年) - 『陽気なギャングが地球を回す』
(伊坂幸太郎/2003年) - 『恋文の技術』
(森見登美彦/2009年) - 『オロロ畑でつかまえて』
(荻原浩/2009年) - 『スメル男』
(原田宗典/1989年) - 『バールのようなもの』
(清水義範/1995年) - 『銀河ヒッチハイク・ガイド』
(ダグラス・アダムス/2005年)
以上の10作を紹介してきました。
どの作品も「笑える」こと間違いなし。もし小説で笑ってみたいなと思う時が来たら、ぜひ読んでみてくださいね。
それでは、良い読書体験を!
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