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恩田陸「理瀬シリーズ」の読む順番とあらすじまとめ【ちょっとややこしい】

恩田陸「理瀬シリーズ」の読む順番とあらすじまとめ【ちょっとややこしい】

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恩田陸「理瀬シリーズ」は全寮制の学園に転入してきた水野理瀬が、不可思議な事件の謎を解いていくという人気シリーズ。

そんな恩田陸さんの「理瀬シリーズ」の読む順番を紹介いたします!

恩田陸「理瀬シリーズ」読む順番

本編5作、外伝3作の8作が刊行されています。

おすすめの読む順番としても刊行順が一番良いので、順番に紹介していきます。

ただし理瀬本人が登場しない作品もあります。また、外伝的な作品もありますので、そちらは分けて紹介します。

一覧は以下になります。

それでは、あらすじも含めて順番に見ていきましょう。

1.『三月は深き紅の淵を』(1997年)

短編集

講談社

<あらすじ>
鮫島巧一は趣味が読書という理由で、会社の会長の別宅に二泊三日の招待を受けた。

彼を待ち受けていた好事家たちから聞かされたのは、その屋敷内にあるはずだが、十年以上探しても見つからない稀覯本『三月は深き紅の淵を』の話。

たった一人にたった一晩だけ貸すことが許された本をめぐる珠玉のミステリー。

あらすじを読んで「あれ?」と思われた方もいるはず。

実はこの作品は全四章から成っており、各章は『三月は深き紅の淵を』という小説に関する物語という部分のみ共通で、独立した話になっています。

水野理瀬が登場するのは第四章「回転木馬」。こちらを読んだうえで次の長編に臨むと良いでしょう。

2.『麦の海に沈む果実』(2000年)

講談社

<あらすじ>
三月以外の転入生は破滅をもたらすといわれる全寮制の学園。

二月最後の日に来た理瀬の心は揺らめく。閉ざされたコンサート会場や湿原から失踪した生徒たち。生徒を集め交霊会を開く校長。図書館から消えたいわくつきの本。理瀬が迷いこんだ「三月の国」の秘密とは?

この世の「不思議」でいっぱいの物語。

2作目が理瀬メインの長編小説です。

さすが恩田さんということで、ぐいぐいと読ませる展開と心に迫ってくる描写が、とても魅力的な作品です。

3.『黒と茶の幻想』(2001年)

講談社

<あらすじ>
太古の森をいだく島へ―学生時代の同窓生だった男女四人は、俗世と隔絶された目的地を目指す。

過去を取り戻す旅は、ある夜を境に消息を絶った共通の知人、梶原憂理を浮かび上がらせる。あまりにも美しかった女の影は、十数年を経た今でも各人の胸に深く刻み込まれていた。

「美しい謎」に満ちた切ない物語。

こちらもあらすじで「あれ?」かと思います。

本作では理瀬は回想シーンのみの登場となりますが、重要な役割を担っています。シリーズを読破するなら本作も読んでおいたほうが良いでしょう。

ただ上下巻と長いので、無理に読まなくても良いかなとは思います。気になる方はぜひ。

4.『黄昏の百合の骨』(2004年)

講談社

<あらすじ>
強烈な百合の匂いに包まれた洋館で祖母が転落死した。

奇妙な遺言に導かれてやってきた高校生の理瀬を迎えたのは、優雅に暮らす美貌の叔母二人。因縁に満ちた屋敷で何があったのか。

「魔女の家」と呼ばれる由来を探るうち、周囲で毒殺や失踪など不吉な事件が起こる。将来への焦りを感じながら理瀬は―。

こちらはまさに理瀬シリーズといった趣の長編作品。

祖母の死、洋館、美貌の2人の叔母……魅力的な設定を舞台に、恩田ワールドが繰り広げられます。

5.『薔薇のなかの蛇』(2021/5/26発売)

最新刊

講談社

<あらすじ>
英国へ留学中のリセ・ミズノは、友人のアリスから「ブラックローズハウス」と呼ばれる薔薇をかたどった館のパーティに招かれる。

そこには国家の経済や政治に大きな影響力を持つ貴族・レミントン一家が住んでいた。美貌の長兄・アーサーや、闊達な次兄・ディヴらアリスの家族と交流を深めるリセ。

折しもその近くでは、首と胴体が切断された遺体が見つかり「祭壇殺人事件」と名付けられた謎めいた事件が起きていた。このパーティで屋敷の主、オズワルドが一族に伝わる秘宝を披露するのでは、とまことしやかに招待客が囁く中、悲劇が訪れる。

屋敷の敷地内で、真っ二つに切られた人間の死体が見つかったのだ。さながら、あの凄惨な事件をなぞらえたかのごとく。

17年ぶりの最新作は「リセ・ミズノ」として理瀬が登場。

舞台はイギリスで、屋敷での殺人事件の謎を解き明かしていくという内容です。

本編は以上ですが、見ていただいたとおり、理瀬が主人公として登場するのは2作目『麦の海に沈む果実』、4作目『黄昏の百合の骨』、5作目『薔薇のなかの蛇』になります。

以下に紹介する外伝もありますので、お急ぎの場合は主人公として登場する本編3作を先に読むのも手です。

「理瀬シリーズ」外伝

1.『殺人鬼の放課後 ミステリ・アンソロジー2』(2002年)

アンソロジー

KADOKAWA

<あらすじ>
殺人鬼こそ本格ミステリの主役!?湿原に建つ全寮制の学校。悪意のゲーム『笑いカワセミ』に挑むのは、美貌の少年ヨハン!(水晶の夜、翡翠の朝)。

恵美が僕に語る、誘拐された少女3人の運命(攫われて)。

新しい受講生は、死んだあの娘とあまりにも似ていた(還って来た少女)。

コンクリートで固められた7つの立方体を支配する、恐るべき死の法則(SEVEN ROOMS)。

恐怖とサスペンスに満ちた、書き下ろしアンソロジー第2弾。

本作中の「水晶の夜 翡翠の朝」が理瀬シリーズに当たりますが、理瀬が学園を去った後のことが描かれており、外伝的な立ち位置です

なお、同作品は『朝日のようにさわやかに』(2007年)、『青に捧げる悪夢』(2013年)にも収録されています。

2.『図書室の海』(2002年)

短編集

新潮社

<あらすじ>
あたしは主人公にはなれない――。関根夏はそう思っていた。だが半年前の卒業式、夏はテニス部の先輩・志田から、秘密の使命を授かった。高校で代々語り継がれる〈サヨコ〉伝説に関わる使命を……。

少女の一瞬のときめきを描く『六番目の小夜子』の番外篇(表題作)、『夜のピクニック』の前日譚「ピクニックの準備」など全10話。

恩田ワールドの魅力を凝縮したあまりにも贅沢な短篇玉手箱。

本作中の「睡蓮」が理瀬シリーズ外伝に相当します。

なお、『六番目の小夜子』『夜のピクニック』等の名作の番外編も収録されており、恩田さんファンなら外せない短編集でもあります。

3.『謎の館へようこそ 黒 新本格30周年記念アンソロジー』(2017年)

アンソロジー

講談社

<あらすじ>
「館」の謎は終わらない――。

館に魅せられた作家たちが書き下ろす、色とりどりのミステリの未来!

本作中の「麦の海に浮かぶ檻」が理瀬シリーズ外伝に相当します。



まとめ

それではおさらいします。

恩田陸「理瀬シリーズ」の読む順番は以上のようになります。

本編と外伝、そして本編でも理瀬主役の長編は2作目と4作目、5作目というように、ちょっとややこしいシリーズ構成になっています。

まずは理瀬シリーズの本流がわかれば良いという方は本編2作目と4作目と5作目を先に読み、その後に本編1作目と3作目、最後に外伝というように読むのもアリでしょう。

やはり刊行順が良い、という方は刊行年順に読んでみることをおすすめします。

恩田ワールドはシリーズ本編のみならず恩田作品すべてに散っていますので、どっぷり浸かってみるのも良いと思いますよ。

それでは、良い読書体験を!

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ノルン
現役小説家。エンタメ作品を中心に著作多数。他の作家さんの新刊情報をメインにお届けします。
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