1981年、大学在学中に「星新一ショートショート・コンテスト」優秀作を受賞した太田忠司さん。著作は100作を超える、本格ミステリ作家の先駆者的な存在です。
そんな太田忠司さんの単行本と文庫の新刊情報をまとめました!
それぞれ最新刊から3冊を紹介しています。
※新刊予定については新刊情報が入り次第、単行本と文庫の「1.」に記載します
それでは、簡単なあらすじを含めてそれぞれ見ていきましょう。
太田忠司の単行本新刊情報
1.『鬼哭洞事件』(2021/10/29発売)
最新刊
東京創元社
<あらすじ>
夏の暑い盛りのある日、私立探偵・野上英太郎の事務所を佐方康之と名乗る依頼人が訪れた。彼は27年前に家を出ていった母親と妹を、父に内密で探しているという。手掛かりは写真一枚のみだが、野上は調査を引き受ける。だが翌日、康之は死体となって発見された。彼の出身地・鳶笊村へ向かった野上と助手の狩野俊介は、洞窟内にある奇妙な邸に住む、余命幾ばくもない村の実力者と会う。
彼こそは康之の父だった――隣村に伝わる謎の神楽、佐方家の財産をめぐる確執、そして衆人環視下で起きる殺人。
少年探偵・狩野俊介、待望の帰還!
単行本はこちらが最新刊になります。
2.『和菓子迷宮をぐるぐると』(2021/2/17発売)
ポプラ社
<あらすじ>
ランチの煮魚を食べながら、その作り方を科学的に検証してしまうほどの理系大学生・涼太。ちょっと変わり者と言われる彼が出会ったのは、あまりに美しい「和菓子」だった。その「美味しさ」にも魅せられてしまい、すっかり和菓子の世界の虜に。勢いのあまり大学院に進まずに和菓子職人になることを決意し、製菓専門学校に入学してしまった。
個性豊かな学生たちとともに和菓子作りに精を出すが、和菓子はとにかく答えがない。なんとか自分の和菓子を作ろうと苦心するも、全てを1か0かで考えてしまう理系的思考が、数値だけでは測りにくい和菓子作りの邪魔をして――。
3.『猿神』(2020/8/26発売)
幻冬舎
<あらすじ>
1989年S県。飯野(飯野)電気喜里(きさと)工場は、日本を代表する自動車会社の最新フラッグシップモデルSB9(エスビーナイン)、その照明部品(ライト)の製造を受注。品質管理課の塚田は連日、深夜までの残業と休日出勤を繰り返し、身も心も疲弊していた。が、塚田だけではない、897名の社員全員が厳しい納期と品質管理に汲々としていた。
そんな中、突如1人の工員による工場内での暴行事件が発生。被疑者は犯行後、失踪し行方不明に。同時に聞こえ始めた奇妙な音。機械の轟音による耳鳴りか、それとも得体の知れない動物の鳴き声か。その後さらに社内で連鎖する暴行事件、製造事故、自殺、突然死、そして殺人。
多くの社員が工場内で得体の知れない何物かの影を見る。なにかがおかしい。狂っている。それでも取引先の製造ラインを止めないため最優先される納期。みな無言で勤務を続ける。ある日、気がつけば工場の内外、至るところ隈笹が繁茂している……。
太田忠司が自身の体験を元にバブル時代の自動車関連工場の狂気とカタストロフを描いた傑作モダンホラー。
単行本は以上です。続いて文庫の新刊を見ていきましょう!
太田忠司の文庫本新刊情報
1.『怪異筆録者』(2021/9/30発売)
文庫最新刊
東京創元社
<あらすじ>
売れない怪奇小説家・津久田舞々(本名)は、ある日小さな田舎町からの依頼を受けて、その町の郷土史を執筆することになる。だが、到着したその日の夜に、彼は謎の幽霊(?)の封印を解いてしまう。「しっかり妾に仕えろよ。さもなくばお前を呪い殺す」――現れたのはまだ幼い少女だった。
ふりかかる受難を躱しつつ、紳士的な祟り神から生意気なお狐さまなど、異界のものたちに遭遇してゆく舞々の運命やいかに。
(単行本版『優しい幽霊たちの遁走曲』を改題)
2017年の単行本『優しい幽霊たちの遁走曲』を改題した文庫化作品です。
2.『麻倉玲一は信頼できない語り手』(2021/4/14発売)
徳間書店
<あらすじ>
死刑が廃止されてから28年後。日本に生存する最後の死刑囚・麻倉は、無人島だった離島に設けられた民間経営の刑務所内の特別拘置所で、刑を執行されることなく過ごしていた。フリーライターの熊沢は、彼に関する本を執筆するため、麻倉本人からの指名を得て取材に向かう。
インタビューするうちに、麻倉が犯した数々の殺人事件に対して「彼らには死すべき理由があった。僕は審判なんだよ。人の命をジャッジする」とうそぶく本人の態度に、熊沢は激しい嫌悪感を抱く。
さらに驚いたことには、離島には麻倉に殺害された被害者の関係者が存在していた。また、離島にまつわる不気味な言い伝えを聞かされた熊沢は、この仕事の先にライターとしての成功を夢見ていた最初の気持ちが大きくぐらつくのを感じ始める。
そしてついに恐ろしい事件が起きた……。読者の予想を覆す奇想ミステリーの問題作!
3.『名古屋駅西 喫茶ユトリロ 龍くんは食べながら謎を解く』(2021/3/15発売)
短編集
角川春樹事務所
<あらすじ>
名古屋大医学部に通う、東京生まれの鏡味龍が下宿するのは、名古屋駅西にある老舗喫茶店ユトリロを営む祖父母宅。店で交わされた奇妙な名古屋弁での会話や持ち込まれた名産品七宝焼にまつわる過去など、不思議な謎を、小倉トーストや味噌煮込みなどの魅力的な名古屋めしからヒントを得て、お人好しの龍が解いていく!
名古屋の魅力満載の、ご当地連作ミステリー!
まとめ
それぞれおさらいします。
■単行本新刊
- 『鬼哭洞事件』(2021/10/29発売)
- 『和菓子迷宮をぐるぐると』
(2021/2/17発売) - 『猿神』
(2020/8/26発売)
■文庫本新刊
- 『怪異筆録者』(2021/9/30発売)
- 『麻倉玲一は信頼できない語り手』(2021/4/14発売)
- 『名古屋駅西 喫茶ユトリロ 龍くんは食べながら謎を解く』
(2021/3/15発売)
精力的に作品を発表している太田忠司さん。次作が楽しみですね。
それでは、良い読書体験を!
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