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雨の日は外出せずに自宅で読書……という方も多いかと思います。
せっかくの雨天。読むなら「雨の日に合う小説」なんていかがでしょう。
そこで、おすすめの「雨の日に読みたくなる小説」をランキング形式で紹介いたします!
「雨の日に読みたくなる小説」おすすめランキング10作
1.『死神の精度』(伊坂幸太郎/2008年)
短編集
文藝春秋
<あらすじ>
CDショップに入りびたり、苗字が町や市の名前であり、受け答えが微妙にずれていて、素手で他人に触ろうとしない―そんな人物が身近に現れたら、死神かもしれません。一週間の調査ののち、対象者の死に可否の判断をくだし、翌八日目に死は実行される。
クールでどこか奇妙な死神・千葉が出会う六つの人生。
まずは伊坂幸太郎さんの『死神の精度』です!
雨とともに現れる死神の千葉を主人公とした短編集。彼の登場するシーンはいつも雨ということで、まさに舞台が「雨」。
雨の日に読めば、千葉のいる世界に迷い込んでしまったような不思議な感覚が得られます。
当ブログの「伊坂幸太郎さん名作10選」でも1位に選びました。
伊坂幸太郎の名作を読むなら~おすすめ10作品ランキングを紹介
関連記事>2.『龍神の雨』(道尾秀介/2012年)
新潮社
<あらすじ>
添木田蓮と楓は事故で母を失い、継父と三人で暮らしている。溝田辰也と圭介の兄弟は、母に続いて父を亡くし、継母とささやかな生活を送る。蓮は継父の殺害計画を立てた。あの男は、妹を酷い目に遭わせたから。
―そして、死は訪れた。降り続く雨が、四人の運命を浸してゆく。彼らのもとに暖かな光が射す日は到来するのか? 大藪春彦賞受賞作。
2位は道尾秀介さんの『龍神の雨』。
龍神の叫びを思わせるほどの雨の中、登場人物たちの運命はどのように決していくのか。ラストの展開も含めて、雨の行方も気になる作品です。
3.『さよなら妖精』(米澤穂信/2006年)
東京創元社
<あらすじ>
雨宿りをする彼女との偶然の出会いが、謎に満ちた日々への扉を開けた。忘れ難い余韻をもたらす、出会いと祈りの物語。初期の大きな、そして力強い一歩となった、鮮やかなボーイ・ミーツ・ガール・ミステリをふたたび。
書き下ろし短編「花冠の日」巻末収録。
米澤穂信さんの『さよなら妖精』は雨宿りとボーイ・ミーツ・ガールがテーマで、青春のもたらすツンとする思いを感じ取れる作品。
雨宿りする時に、ふと思い出す。そんな作品です。
関連記事>4.『いま、会いにゆきます』(市川拓司/2003年)
小学館
<あらすじ>
これほど哀しくて、幸せな涙を流したことはありますか?「愛している」という感情をこれほどシンプルに、しかし深く表現した小説は稀有と言えるでしょう。父子家庭に起こる愛の奇跡―わずか6週間のその奇跡が、父に子に、永遠に生きつづけるかけがえのない心の宝を与えてくれます。
アーヴィング、ヴォネガットをこよなく愛し、リリカルだが湿度のない、軽いユーモアを含んだ語り口が、静謐な慈しみに満ちた愛情の物語をあざやかに描き出します。
読者の一人一人が心の奥底で共有できる記憶が、この物語にはあるはずです。哀しいけれど幸福な、最高の恋愛小説です。
市川拓司さんの『いま、会いにゆきます』は雨の季節に起きる奇跡を描いた恋愛小説。
父子家庭の主人公たちに、どのような奇跡が起きたのか。未読の方はぜひその奇跡を目の当たりにしてください。
5.『インビジブルレイン』(誉田哲也/2009年)
光文社
<あらすじ>
姫川班が捜査に加わったチンピラ惨殺事件。暴力団同士の抗争も視野に入れて捜査が進む中、「犯人は柳井健斗」というタレ込みが入る。ところが、上層部から奇妙な指示が下った。捜査線上に柳井の名が浮かんでも、決して追及してはならない、というのだ。
隠蔽されようとする真実―。警察組織の壁に玲子はどう立ち向かうのか?
シリーズ中もっとも切なく熱い結末。
誉田哲也さんの人気警察小説シリーズ「姫川玲子シリーズ」の4作目。
全編に渡って雨の描写が続きつつ、過去の雨の日に起きた事件も交え、「雨」が物語を牽引していくミステリー。
雨が止む前に読み終えてしまうほど、一気読み必至の一冊です。
「姫川玲子シリーズ」については以下の記事にまとめています。
誉田哲也「姫川玲子シリーズ」の最新刊と読む順番、あらすじまとめ
関連記事>6.『耳袋秘帖 妖談ひときり傘』(風野真知雄/2013年)
文藝春秋
<あらすじ>
雨の中あでやかな傘の群れが舞うと、死体がひとつ―「ひときり傘」が引き起こす連続殺人事件が江戸の町を震撼させる。一方、明日の天気を奇妙なほどぴたりとあてる女おせんが誘拐されて…。毛の雨が降り、川が血の色に染まり、雷の糞が取りざたされる江戸の天変地異に根岸肥前守が挑む、書き下ろし妖談シリーズ第六弾。
時代小説も紹介します。
江戸の町に起きた連続殺人事件。その日の天気は必ず雨……。江戸と雨と殺人という取り合わせに、ある種の情緒すら感じさせる一作です。
7.『雨の日には車をみがいて』(五木寛之/1988年)
短編集
集英社
<あらすじ>
ビートルズが東京へやって来た日、放送作家の卵だったぼくは、1台のオンボロ車、シムカ1000を手に入れたが、その代償のように1人の女友達を失う。(第1話「たそがれ色のシムカ」)アルファ・ロメオ、ボルボ122S、BMW2000CS、ポルシェ911S…。
それぞれの車に素敵な女性との出逢いと別れをからめて、リリカルに描く青春恋愛小説の名作。
五木寛之さんによる、車が登場する9つの物語。
1960年~80年の昭和の光景があざやかに蘇る本作。必ずしも車でなくても、ひとつのものを大切にするということに気づかせてくれる一作です。
8.『静かな雨』(宮下奈都/2004年)
文藝春秋
<あらすじ>
行助は美味しいたいやき屋を一人で経営するこよみと出会い、親しくなる。ある朝こよみは交通事故の巻き添えになり、三ヵ月後意識を取り戻すと新しい記憶を留めておけなくなっていた。
忘れても忘れても、二人の中には何かが育ち、二つの世界は少しずつ重なりゆく。
文學界新人賞佳作に選ばれた瑞々しいデビュー作。
『羊と鋼の森』で本屋大賞(2016年)に選ばれた、宮下奈都さんのデビュー作です。
あたたかくて優しさを感じさせる、雨の日に心まであたたまりたいという時に読みたい作品です。
関連記事>9.『ナラタージュ』(島本理生/2005年)
KADOKAWA
<あらすじ>
お願いだから私を壊して、帰れないところまで連れていって見捨てて、あなたにはそうする義務がある―大学二年の春、母校の演劇部顧問で、思いを寄せていた葉山先生から電話がかかってきた。泉はときめきと同時に、卒業前のある出来事を思い出す。
後輩たちの舞台に客演を頼まれた彼女は、先生への思いを再認識する。そして彼の中にも、消せない炎がまぎれもなくあることを知った泉は―。
早熟の天才少女小説家、若き日の絶唱ともいえる恋愛文学。
島本理生さんによる恋愛小説。
重要な局面で雨が降るシーンが、とても印象的。雨が降る日、それはきっと何かが起きる予兆なのかもしれません。
10.『梅雨将軍信長』(新田次郎/1964年)
短編集
新潮社
<あらすじ>
織田信長は、土砂降りの桶狭間を急襲して今川義元を倒し、雨の晴れ間を狙って長篠に武田勝頼を破った。大勝するのはいつも雨の時季。その陰には「気」を見る男がいた―。表題作の他、算法に惹きつけられた侍たちの悲劇を描いた『算士秘伝』、言い争いから富士登山に挑むことになった大奥下女の物語『女人禁制』など、自らも科学、技術、山岳の人であった著者の異色歴史小説全9編。
最後に新田次郎さんの歴史小説です。
織田信長の勝利の時は、いつも雨が降っていた……。その裏には一人の男の存在が。
雨の日には、ありし日の歴史の一幕に思いを馳せるのも良いかもしれませんね。
まとめ
- 『死神の精度』
(伊坂幸太郎/2008年) - 『龍神の雨』
(道尾秀介/2012年) - 『さよなら妖精』
(米澤穂信/2006年) - 『いま、会いにゆきます』
(市川拓司/2003年) - 『インビジブルレイン』
(誉田哲也/2009年) - 『耳袋秘帖 妖談ひときり傘』
(風野真知雄/2013年) - 『雨の日には車をみがいて』
(五木寛之/1988年) - 『静かな雨』
(宮下奈都/2004年) - 『ナラタージュ』
(島本理生/2005年) - 『梅雨将軍信長』
(新田次郎/1964年)
以上の10作を紹介してきました。
雨の日にゆっくり、しっとりと読書にいそしみたい。どんな本を読めばいいのか迷った時、この記事が参考になれば幸いです。
それでは、良い読書体験を!
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