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ミステリー、ホラー、青春小説というようにさまざまな作風で名作を生み出している恩田陸さん。数多くの作品を発表していますので、
- 初めて恩田陸を読むんだけど、どれを選べば…
- もっと読みたいけど、次に何を読むか迷っているよ…
という方は多いはず。
そこで、全作品を読破した私がオススメ10作品をランキング形式で紹介します!
恩田陸オススメ10作品ランキング
1位:『夜のピクニック』(2006年)
新潮社
<あらすじ>
繫ぎ留めておきたい、この時間を。小さな賭けを胸に秘め、貴子は高校生活最後のイベント歩行祭にのぞむ。誰にも言えない秘密を清算するために――。永遠普遍の青春小説。
高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて、歩行祭にのぞんだ。三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するために――。
学校生活の思い出や卒業後の夢など語らいつつ、親友たちと歩きながらも、貴子だけは、小さな賭けに胸を焦がしていた。
本屋大賞を受賞した永遠の青春小説。
選んだポイント
主人公は高校生ですが、当の高校生が読んでも、大人が読んでも、いやどんな人が読んでも、心に楔を打たれること間違いなしの青春小説。
第26回吉川英治文学新人賞、第2回本屋大賞を受賞しています。
万人向けということもあり、1位に選出しました。
関連記事>2位:『蜜蜂と遠雷』(2016年)
幻冬舎
<あらすじ>
近年その覇者が音楽界の寵児となる芳ヶ江国際ピアノコンクール。自宅に楽器を持たない少年・風間塵16歳。かつて天才少女としてデビューしながら突然の母の死以来、弾けなくなった栄伝亜夜20歳。楽器店勤務のサラリーマン・高島明石28歳。完璧な技術と音楽性の優勝候補マサル19歳。
天才たちによる、競争という名の自らとの闘い。
その火蓋が切られた。
選んだポイント
こちらも青春小説の名作として挙げたい一作。群像劇ですが、どのキャラクターも悩みや苦しみを抱えながらも、勝負に挑んでいきます。その姿にいたく感動します。
第156回直木賞、第14回本屋大賞の受賞作。同一作者が本屋大賞を2度受賞するのは史上初の快挙でした。
関連記事>3位:『六番目の小夜子』(1992年)
新潮社
<あらすじ>
津村沙世子――とある地方の高校にやってきた、美しく謎めいた転校生。高校には十数年間にわたり、奇妙なゲームが受け継がれていた。三年に一度、サヨコと呼ばれる生徒が、見えざる手によって選ばれるのだ。
そして今年は、「六番目のサヨコ」が誕生する年だった。学園生活、友情、恋愛。やがては失われる青春の輝きを美しい水晶に封じ込め、漆黒の恐怖で包みこんだ、伝説のデビュー作。
選んだポイント
恩田陸さんのデビュー作であり、原点でもある本作。恩田陸作品を読むにあたって、必ず読んでおくことをおすすめしたい作品でもありますので、3位に推しました。
ホラーテイストかつミステリーテイストを醸す本作。まさに恩田さんの原点ともいえる作品です。
第3回ファンタジーノベル大賞で最終選考作。
4位:『ドミノ』(2001年)
KADOKAWA
<あらすじ>
些細な事件が大騒動に発展していく、パニックコメディの大傑作!一億の契約書を待つ生保会社のオフィス。下剤を盛られた子役の麻里花。推理力を競い合う大学生。別れを画策する青年実業家。
昼下がりの東京駅、見知らぬ者同士がすれ違うその一瞬、運命のドミノが倒れてゆく!
選んだポイント
27人もの登場人物が東京駅を舞台に駆け回るコメディ作品。キャラクターの書き分けはもちろん、そのすべてが繋がっているという構成に驚愕します。
ちょっと軽めの恩田作品を読みたいという時に。
続編の「ドミノin上海」も発売されました。
当ブログの「笑える小説」おすすめランキングでも選出しました。
笑える小説おすすめランキング10作【心の底から笑いたいときに】
関連記事>5位:『光の帝国 常野物語』(1997年)
短編集
集英社
<あらすじ>
膨大な書物を暗記するちから、遠くの出来事を知るちから、近い将来を見通すちから―「常野」から来たといわれる彼らには、みなそれぞれ不思議な能力があった。穏やかで知的で、権力への思向を持たず、ふつうの人々の中に埋もれてひっそりと暮らす人々。彼らは何のために存在し、どこへ帰っていこうとしているのか?
不思議な優しさと淡い哀しみに満ちた、常野一族をめぐる連作短編集。優しさに満ちた壮大なファンタジーの序章。
選んだポイント
恩田さんのファンタジー作品として屈指の名作に数えられる本作。シリーズ化の第一作目ということでランクイン。
続編はいずれも長編になります。
6位:『チョコレートコスモス』(2006年)
KADOKAWA
<あらすじ>
無名劇団に現れた一人の少女。天性の勘で役を演じる飛鳥の才能は周囲を圧倒する。いっぽう若き女優響子は、とある舞台への出演を切望していた。
開催された奇妙なオーディション、二つの才能がぶつかりあう!
選んだポイント
演劇をテーマにしていますが、ぶつかる才能という点で『蜜蜂と遠雷』に通じるものがあります。この手の作品が好きな方におすすめ。
7位:『ライオンハート』(2000年)
新潮社
<あらすじ>
いつもあなたを見つける度に、ああ、あなたに会えて良かったと思うの。会った瞬間に、世界が金色に弾けるような喜びを覚えるのよ……。17世紀のロンドン、19世紀のシェルブール、20世紀のパナマ、フロリダ。時を越え、空間を越え、男と女は何度も出会う。
結ばれることはない関係だけど、深く愛し合って――。神のおぼしめしなのか、気紛れなのか。
切なくも心暖まる、異色のラブストーリー。
選んだポイント
SFテイストのラブストーリー。時間を行き来するので少々ややこしい構成ではありますが、すべてが繋がった時、きっと心に染み入るものがあるでしょう。
8位:『麦の海に沈む果実』(2000年)
講談社
<あらすじ>
三月以外の転入生は破滅をもたらすといわれる全寮制の学園。二月最後の日に来た理瀬の心は揺らめく。閉ざされたコンサート会場や湿原から失踪した生徒たち。生徒を集め交霊会を開く校長。図書館から消えたいわくつきの本。
理瀬が迷いこんだ「三月の国」の秘密とは?
この世の「不思議」でいっぱいの物語。
選んだポイント
「不思議」を前面に押し出した青春ミステリー。恩田さんのエッセンスを十二分に堪能できる作品です。
9位:『ネバーランド』(2000年)
集英社
<あらすじ>
舞台は、伝統ある男子校の寮「松籟館」。冬休みを迎え多くが帰省していく中、事情を抱えた4人の少年が居残りを決めた。ひとけのない古い寮で、4人だけの自由で孤独な休暇がはじまる。そしてイブの晩の「告白」ゲームをきっかけに起きる事件。
日を追うごとに深まる「謎」。やがて、それぞれが隠していた「秘密」が明らかになってゆく。
驚きと感動に満ちた7日間を描く青春グラフィティ。
選んだポイント
こちらも青春ミステリー。7日間という限られた期間で徐々に謎や秘密が明らかになっていく過程に、恩田さんのうまさが光ります。
10位:『木曜組曲』(1999年)
徳間書店
<あらすじ>
耽美派小説の巨匠、重松時子が薬物死を遂げてから、四年。時子に縁の深い女たちが今年もうぐいす館に集まり、彼女を偲ぶ宴が催された。ライター絵里子、流行作家尚美、純文学作家つかさ、編集者えい子、出版プロダクション経営の静子。
なごやかな会話は、謎のメッセージをきっかけに、告発と告白の嵐に飲み込まれてしまう。はたして時子の死は、自殺か、他殺か――?
長篇心理ミステリー。
選んだポイント
圧倒的な心理描写を仕掛けてくるミステリー作品。心の動きの描写が巧みで、一気に読み進められます。
まとめ
以下、10位までをおさらいです。
- 1位:『夜のピクニック』
(2006年) - 2位:『蜜蜂と遠雷』
(2016年) - 3位:『六番目の小夜子』
(1992年) - 4位:『ドミノ』
(2001年) - 5位:『光の帝国 常野物語』
(1997年) - 6位:『チョコレートコスモス』
(2006年) - 7位:『ライオンハート』
(2000年) - 8位:『麦の海に沈む果実』
(2000年) - 9位:『ネバーランド』
(2000年) - 10位:『木曜組曲』
(1999年)
恩田陸入門というイメージで選出いたしました。
これらの作品を読んで恩田陸作品にハマったら、ぜひ読破していただきたいと思います!
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