2010年に『機龍警察』でデビューした月村了衛さん。日本SF大賞、吉川英治文学新人賞等を受賞し、SFやハードボイルドの第一線の書き手として人気です。
そんな月村了衛さんの単行本と文庫の新刊情報をまとめました!
それぞれ最新刊から最大5冊を紹介しています。
※新刊予定については新刊情報が入り次第、単行本と文庫の「1.」に記載します
月村了衛の単行本新刊情報
1.『虚の伽藍』(2024/4/24発売)
最新刊
新潮社
<あらすじ>
日本仏教の最大宗派・燈念寺派。弱者の救済を志す若き僧侶・志方凌玄がバブル期の京都で目にしたのは、暴力団、フィクサー、財界重鎮に市役所職員……古都の金脈に群がる魑魅魍魎だった。腐敗した燈念寺派を正道に戻すため、あえて悪に身を投じる凌玄だが、金にまみれた求道の果てに待っていたのは――。
人間の核心に迫る圧巻の社会派巨編。
単行本はこちらが最新刊になります。
2.『対決』(2024/4/24発売)
光文社
<あらすじ>
新聞記者 vs. 医大理事。一歩もひかぬ、二人の女。思いは同じ――後に続く女性のために。だからこそ、互いの人生を懸けて激突する。ある医大が入試の採点過程で女子の点数を意図的に下げている――衝撃的な「噂」を耳にした新聞記者の檜葉菊乃は独自の調査を始め、理事の神林晴海に目をつける。巧みに追及を躱す神林だが、突破口はそこにしかないと考え、檜葉は何度となく攻め立てる。
男性優位の社会で、共に無数の理不尽に直面してきた二人。それでも敵対せざるをえない彼女たちの闘いの行方は……。
3.『半暮刻』(2023/10/18発売)
双葉社
<あらすじ>
児童養護施設で育った元不良の翔太は先輩の誘いで「カタラ」という会員制バーの従業員になる。ここは言葉巧みに女性を騙し惚れさせ、金を使わせて借金まみれにしたのち、風俗に落とすことが目的の半グレが経営する店だった。〈マニュアル〉に沿って女たちを騙していく翔太に有名私大に通いながら〈学び〉のためにカタラで働く海斗が声をかける。
「俺たち一緒にやらないか……」。二人の若者を通した日本社会の歪み、そして「本当の悪とは」を描く社会派小説。
4.『香港警察東京分室』(2023/4/21発売)
小学館
<あらすじ>
香港国家安全維持法成立以来、日本に流入する犯罪者は増加傾向にある。国際犯罪に対応すべく日本と中国の警察が協力する――インターポールの仲介で締結された「継続的捜査協力に関する覚書」のもと警視庁に設立されたのが「特殊共助係」だ。だが警察内部では各署の厄介者を集め香港側の接待役をさせるものとされ、「香港警察東京分室」と揶揄されていた。メンバーは日本側の水越真希枝警視ら5名、香港側のグレアム・ウォン警司ら5名である。
初の共助事案は香港でデモを扇動、多数の死者を出した上、助手を殺害し日本に逃亡したキャサリン・ユー元教授を逮捕すること。元教授の足跡を追い密輸業者のアジトに潜入すると、そこへ香港系の犯罪グループ・黒指安が襲撃してくる。対立グループとの抗争に巻き込まれつつもユー元教授の捜索を進める分室メンバー。
やがて新たな謎が湧き上がる。なぜ穏健派のユー教授はデモを起こしたのか、彼女の周囲で目撃された謎の男とは。疑問は分室設立に隠された真実を手繰り寄せる。そこにあったのは思いもよらぬ国家の謀略だった――。
アクションあり、頭脳戦あり、個性豊かなキャラクターが躍動する警察群像エンタテイメント!
5.『十三夜の焔』(2022/10/26発売)
集英社
<あらすじ>
天明四年五月の十三夜。番方・幣原喬十郎は、湯島の路上で男女の惨殺体を発見する。傍らには匕首を手に涙を流す若い男が一人。喬十郎は咄嗟に問い質すが、隙をつかれて取り逃がす。やがて、逃げた男は大盗「大呪の代之助」一味の千吉だと判明。殺害された男の周辺を洗う中、再び遭遇するも、千吉は殺害を否定し、再び姿を眩ませる。
十年後、喬十郎は、銭相場トラブルで一家を殺害された塩問屋の事件を追う過程で、両替商となった千吉(利兵衛)に出合う。火付盗賊改長官・長谷川平蔵に助言を仰ぐも、突然の裏切りに遭い、左遷されてしまう。
己の面目にかけて悪事に立ち向かう喬十郎と、闇社会を巧に立ち回る千吉。幕政に翻弄された二人の因縁を描く、熱き時代小説。
単行本は以上です。続いて文庫の新刊を見ていきましょう!
月村了衛の文庫本新刊情報
1.『ビタートラップ』(2024/12/6発売)
文庫最新刊
実業之日本社
<あらすじ>
「私は中国のハニートラップなんです」。農林水産省で働くノンキャリア公務員の並木は、恋人から突然、告白される。なぜぼくが?
警視庁公安部からは追尾され、中国の国家安全部からは拉致される。両国組織を欺くために、同棲を始めるが……。何が真実で、誰を信じればいいのか。
「本気で好き」と語る彼女は信じられるのか――。恋愛×スパイ小説の極北。
2021年刊行作品の文庫版です。
2.『脱北航路』(2024/11/8発売)
幻冬舎
<あらすじ>
祖国に絶望した北朝鮮海軍の精鋭達。四十五年前、島根の海岸で拉致された日本人女性。宿命のように引き寄せられた彼らが、老朽化した潜水艦に乗って日本への亡命を企図した時、国際社会を揺るがす悲壮な闘いの幕が切って落とされた。
一発でも魚雷が当たれば撃沈必至の極限状況。それゆえに生まれる感涙の人間ドラマ。超弩級エンターテイメント!
2022年刊行作品の文庫版です。
3.『非弁護人』(2024/3/8発売)
徳間書店
<あらすじ>
元特捜検事・宗光彬。検察の腐敗により無実の罪で法曹界を追放された過去を持つ。弁護士資格のないまま高度な法律案件を闇で請け負うことから「非弁護人」と呼ばれていた。あるときパキスタン人少年から「級友を捜してほしい」と依頼される。その少女と家族の消息を追ううちに大量の失踪者の存在が明らかになる。
戦慄の犯罪に立ち向かうべく、法廷に立てない宗光が取った驚愕の奇策とは!?
2021年刊行作品の文庫版です。
4.『奈落で踊れ』(2024/1/10発売)
朝日新聞出版
<あらすじ>
接待汚職「ノーパンすき焼きスキャンダル」発覚で大蔵省は大揺れ。汚職役人としての処分を恐れた89年入省組の4人は、“大蔵省始まって以来の変人”の異名をとる同期の香良洲圭一に助けを求めるが……。黒幕の大物主計局長、暴力団幹部、総会屋総帥、敏腕政治家らの思惑が入り乱れるなか、香良洲はこの危機にいかに立ち向かうのか!?
スリリングな官僚ピカレスク小説。
2020年刊行作品の文庫版です。
5.『白日』(2023/12/22発売)
KADOKAWA
<あらすじ>
千日出版の教育部門で課長を務める秋吉は、[引きこもり・不登校対策]を標榜した新時代の高校を開校する一大プロジェクトを進めていた。梶原局長の中3の息子が、屋上から転落死したことでプロジェクトは一時中止となり、事故ではなく自殺という噂が社内で広まる。秋吉は部下の前島と独自に調査を行うが、会社の上層部は秋吉に隠蔽を働きかける――。
組織の論理に翻弄される中間管理職の苦悩を描いた、波瀾の企業エンタメ!
2020年刊行作品の文庫版です。
文庫本の新刊情報は以上になります。
まとめ
それぞれおさらいします。
■単行本新刊
- 『虚の伽藍』(2024/4/24発売)
- 『対決』(2024/4/24発売)
- 『半暮刻』(2023/10/18発売)
- 『香港警察東京分室』(2023/4/21発売)
- 『十三夜の焔』(2022/10/26発売)
■文庫本新刊
コンスタントに作品を発表し続けている月村了衛さん。新作が楽しみですね。
それでは、良い読書体験を!
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