2009年に『神様のカルテ』で第10回小学館文庫小説賞を受賞しデビューした夏川草介さん。同作は大人気シリーズ作品になっています。
そんな夏川草介さんの単行本と文庫の新刊情報をまとめました!
それぞれ最新刊から最大5冊を紹介しています。
※新刊予定については新刊情報が入り次第、単行本と文庫の「1.」に記載します
それでは、簡単なあらすじを含めてそれぞれ見ていきましょう。
夏川草介の単行本新刊情報
1.『君を守ろうとする猫の話』(2024/2/28発売)
最新刊
小学館
<あらすじ>
お前なら、きっと本を取り戻せるはずだ。幸崎ナナミは十三歳の中学二年生である。喘息の持病があるため、あちこち遊びに出かけるわけにもいかず学校が終わるとひとりで図書館に足を運ぶ生活を送っている。その図書館で、最近本がなくなっているらしい。館内の探索を始めたナナミは、青白く輝いている書棚の前で、翡翠色の目をした猫と出会う。
なぜ本を燃やすんですか?
「一番怖いのは、心を失うことじゃない。失った時に、誰もそれを教えてくれないこと。誰かを蹴落としたときに、それはダメだと教えてくれる友達がいないこと。つまりひとりぼっちだってこと」
ようこそ、新たな迷宮へ。
単行本はこちらが最新刊になります。
2.『スピノザの診察室』(2023/10/27発売)
文藝春秋
<あらすじ>
雄町哲郎は京都の町中の地域病院で働く内科医である。三十代の後半に差し掛かった時、最愛の妹が若くしてこの世を去り、一人残された甥の龍之介と暮らすためにその職を得たが、かつては大学病院で数々の難手術を成功させ、将来を嘱望された凄腕医師だった。
哲郎の医師としての力量に惚れ込んでいた大学准教授の花垣は、愛弟子の南茉莉を研修と称して哲郎のもとに送り込むが……。
3.『レッドゾーン』(2022/8/30発売)
短編集
小学館
<あらすじ>
【第一話】レッドゾーン
日進義信は長野県信濃山病院に勤務する内科医(肝臓専門医)だ。令和二年二月、院長の南郷は横浜港に停泊中のクルーズ船内で増加する新型コロナ患者の受け入れを決めた。呼吸器内科医も感染症医もいない地域病院に衝撃が走る。日進の妻・真智子は、夫がコロナ感染症の患者を診療することに強い拒否感を示していた。【第二話】パンデミック
千歳一郎は五十二歳の外科医である。令和二年三月に入り、コロナの感染者は長野県でも急増していた。三月十四日、千歳は限界寸前の日進に変わり、スペイン帰りの32歳女性コロナ確定患者を診察し、涙を流される。翌日、コロナ診療チームに千歳が合流した。【第三話】ロックダウン
敷島寛治は四十二歳の消化器内科医である。コロナ診療チームに加わって二月半が過ぎた。四月上旬、押し寄せる患者に対応し、信濃山病院が総力戦に突入するなか、保健所は感染症病床を六床から十六床に増床するよう要請する。医師たちはすべての責務を信濃山病院だけに負わせようとする要請に紛糾するが、「病める人がいるのなら、我々は断るべきでない」という三笠内科部長の発言により、増床を受け入れる。
4.『臨床の砦』(2021/4/23発売)
小学館
<あらすじ>
「この戦、負けますね」敷島寛治は、コロナ診療の最前線に立つ信濃山病院の内科医である。一年近くコロナ診療を続けてきたが、令和二年年末から目に見えて感染者が増え始め、酸素化の悪い患者が数多く出てきている。
医療従事者たちは、この一年、誰もまともに休みを取れていない。世間では「医療崩壊」寸前と言われているが、現場の印象は「医療壊滅」だ。
ベッド数の満床が続き、一般患者の診療にも支障を来すなか、病院は、異様な雰囲気に包まれていた。
文庫版が発売です(下記参照)。
5.『始まりの木』(2020/9/25発売)
短編集
小学館
<あらすじ>
藤崎千佳は、東京にある国立東々大学の学生である。所属は文学部で、専攻は民俗学。指導教官である古屋神寺郎は、足が悪いことをものともせず日本国中にフィールドワークへ出かける、偏屈で優秀な民俗学者だ。
古屋は北から南へ練り歩くフィールドワークを通して、“現代日本人の失ったもの”を藤崎に問いかけてゆく。学問と旅をめぐる、不思議な冒険が、始まる。
“旅の準備をしたまえ”
文庫版が発売です(下記参照)。
単行本は以上です。続いて文庫の新刊を見ていきましょう!
夏川草介の文庫本新刊情報
1.『始まりの木』(2023/8/4発売)
文庫最新刊、短編集
小学館
<あらすじ>
「「少しばかり不思議な話を書きました。
木と森と、空と大地と、ヒトの心の物語です」
–夏川草介第一話 寄り道【主な舞台 青森県弘前市、嶽温泉、岩木山】
第二話 七色【主な舞台 京都府京都市(岩倉、鞍馬)、叡山電車】
第三話 始まりの木【主な舞台 長野県松本市、伊那谷】
第四話 同行二人【主な舞台 高知県宿毛市】
第五話 灯火【主な舞台 東京都文京区】藤崎千佳は、東京にある国立東々大学の学生である。所属は文学部で、専攻は民俗学。指導教官である古屋神寺郎は、足が悪いことをものともせず日本国中にフィールドワークへ出かける、偏屈で優秀な民俗学者だ。
古屋は北から南へ練り歩くフィールドワークを通して、“現代日本人の失ったもの”を藤崎に問いかけてゆく。学問と旅をめぐる、不思議な冒険が、始まる。
“藤崎、旅の準備をしたまえ”
2020年刊行作品の文庫版です。
2.『本を守ろうとする猫の話』(2022/9/6発売)
小学館
<あらすじ>
「お前は、ただの物知りになりたいのか?」夏木林太郎は、一介の高校生である。幼い頃に両親が離婚し、さらには母が若くして他界したため、小学校に上がる頃には祖父の家に引き取られた。
以後はずっと祖父との二人暮らしだ。祖父は町の片隅で「夏木書店」という小さな古書店を営んでいる。その祖父が突然亡くなった。
面識のなかった叔母に引き取られることになり本の整理をしていた林太郎は、書棚の奥で人間の言葉を話すトラネコと出会う。トラネコは、本を守るために林太郎の力を借りたいのだという。
2017年刊行作品の文庫版です。
3.『臨床の砦』(2022/6/7発売)
小学館
<あらすじ>
小さな病院は命がけでコロナに立ち向った。『神様のカルテ』著者、最新作!
感染症指定医療機関でコロナ禍の最前線に立ち続ける現役医師が自らの経験を克明に綴った記録小説!
2021年刊行作品の文庫版です。
4.『勿忘草の咲く町で 安曇野診療記』(2022/3/23発売)
短編集
KADOKAWA
<あらすじ>
月岡美琴は、松本市郊外にある梓川病院に勤めて3年目の看護師。風変わりな研修医・桂勝太郎と共に、膵癌を患い、妻子を遺して亡くなった長坂さんを看取り、誤嚥性肺炎で入院中だが「生大根の子糠漬けなら食べられる」という88歳の新村さんのために沢庵を切る(「秋海棠の咲く頃に」))。
秋、循環器内科での研修が始まった桂は、肺炎の疑いで緊急搬送された92歳の女性に3時間延命する処置を下す。その判断は老人の延命治療に懐疑的な通称”死神”こと谷崎医師の教えに反していたが、それは連絡を受けた孫が駆けつけるまでの所要時間だった(「ダリア・ダイアリー」)。
”口から物が食べられなくなったら、それが人間の寿命である。その常識を変えた夢の医療器具「胃瘻」”の登場、「できることは全部やってほしい」という患者の家族など、地域医療ならではの患者との関わり合いを通じて、月岡と桂は、老人医療とは何か、生きることと死んでいることの差はどこにあるのか、悩みながら進み続ける。
2019年刊行作品の文庫版です。
文庫本の新刊情報は以上になります。
まとめ
それぞれおさらいします。
■単行本新刊
- 『君を守ろうとする猫の話』(2024/2/28発売)
- 『スピノザの診察室』(2023/10/27発売)
- 『レッドゾーン』(2022/8/30発売)
- 『臨床の砦』(2021/4/23発売)
- 『始まりの木』
(2020/9/25発売)
■文庫本新刊
- 『始まりの木』(2023/8/4発売)
- 『本を守ろうとする猫の話』(2022/9/6発売)
- 『臨床の砦』(2022/6/7発売)
- 『勿忘草の咲く町で 安曇野診療記』(2022/3/23発売)
一時ブランクもありましたが、このところはコンスタントに作品を発表している夏川草介さん。次作が楽しみですね。
それでは、良い読書体験を!
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