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警察小説を中心に精力的に作品を発表し続けている今野敏さんの「安積班シリーズ」。
東京の湾岸地域を管轄する東京湾臨海警察署を中心に、安積警部の率いる刑事課強行犯係・安積班の活躍を描いた人気警察小説シリーズです。
そんな今野敏さんの「安積班シリーズ」の読む順番を紹介いたします!
今野敏「安積班シリーズ」読む順番
20作(+番外編1冊)が角川春樹事務所、講談社から刊行されています。
おすすめの読む順番としても刊行順が一番良いので、順番に紹介していきます。
その前にシリーズ構成として、
- 東京ベイエリア分署編(角川春樹事務所)
- 神南署編(講談社、角川春樹事務所)
- 東京湾臨海署編(角川春樹事務所)
と三部に分かれていますので、それぞれ紹介していきます。
東京ベイエリア分署編(3作品)
1.『二重標的(ダブルターゲット)―東京ベイエリア分署』(1988年)
<あらすじ>
東京湾臨海署(ベイエリア分署)の安積警部補のもとに、殺人事件の通報が入った。若者ばかりが集まるライブハウスで、30代のホステスが殺されたという。女はなぜ場違いと思える場所にいたのか?疑問を感じた安積は、事件を追ううちに同時刻に発生した別の事件との接点を発見。繋がりを見せた二つの殺人標的が、安積たちを執念の捜査へと駆り立てる―。
ベイエリア分署シリーズ第一弾。
こちらが第一作です。
1988年の作品ということを差し引いても充分楽しめる作品。安積を始めとするキャラクターたちの魅力が存分に発揮されています。
2.『虚構の殺人者―東京ベイエリア分署』(1990年)
<あらすじ>
東京湾臨海署―通称ベイエリア分署の管内で、テレビ局プロデューサーの落下死体が発見された。捜査に乗り出した安積警部補たちは、現場の状況から他殺と断定。被害者の利害関係から、容疑者をあぶり出した。
だが、その人物には鉄壁のアリバイが…。利欲に塗れた業界の壁を刑事たちは崩せるのか?
3.『硝子の殺人者―東京ベイエリア分署』(1991年)
<あらすじ>
東京湾岸で乗用車の中からTV脚本家の絞殺死体が発見された。現場に駆けつけた東京湾臨海署(ベイエリア分署)の刑事たちは、目撃証言から事件の早期解決を確信していた。だが、即刻逮捕された暴力団員は黙秘を続け、被害者との関係に新たな謎が―。
華やかなTV業界に渦巻く麻薬犯罪に挑む刑事たちを描く、安積警部補シリーズ待望の刊行。
神南署編(4作品)
ここから第二部。神南署は原宿・渋谷地区が管轄で、湾岸エリアからはいったん離れます。
この神南署編の『蓬莱』『イコン』は講談社から刊行されています。
4.『蓬莱』(1994年)
<あらすじ>
この中に「日本」が封印されている。ゲーム「蓬莱(ほうらい)」の発売中止を迫る不可解な恫喝。なぜ圧力がかかるのか、ゲームに何らかの秘密が隠されているのか!?
混乱の中、製作スタッフが変死する。だが事件に関わる人々と安積警部補は謎と苦闘し続ける。
今野敏警察小説の原型となった不朽の傑作、新装版。
5.『イコン』(1995年)
<あらすじ>
「十七歳ですよ。死んじゃいけない」連続少年殺人の深層に存在した壮絶な真実とは!?熱狂的人気を集めるも正体は明かされないアイドルのライブでの殺人事件。被害者を含め現場にいた複数の少年と少女一人は過去に同じ中学の生徒だった。
警視庁少年課・宇津木と神南署・安積警部補は捜査の過程で社会と若者たちの変貌に直面しつつ、隠された驚愕の真相に到達する。
『蓬莱』に続く長編警察小説。
6.『警視庁神南署』(1997年)
<あらすじ>
東京・渋谷で銀行員が少年数人に襲われ、金を奪われる事件が起きた。新設されて間もない神南署の安積警部補たちは、男の訴えにより捜査を開始した。だが、数日後、銀行員は告訴を取り下げてしまう。一体何があったのか?そして今度は複数の少年が何者かに襲われる事件が…。
二つの事件を不審に感じた刑事たちが、巧妙に仕組まれた犯罪に立ち向う! ベイエリア分署シリーズの続編、待望の文庫化。
7.『神南署安積班』(1998年)
短編集
<あらすじ>
人と犯罪の溢れる街、渋谷。その街を管轄とする警視庁神南署に張り込む新聞記者たちの間で、信じられない噂が流れた。交通課の速水警部補が、援助交際をしているというのだ。記者の中には、真相を探ろうとするものも現れ、署内には不穏な空気が―。
刑事課の安積警部補は、黙して語らない速水の無実を信じつつ、彼の尾行を始めるが…。警察官としての生き様を描く『噂』他、8編を収録。
大好評安積警部補シリーズ待望の文庫化。
東京湾臨海署編(13作品)
ここから第三部。再び湾岸エリアへ。
8.『残照』(2000年)
<あらすじ>
東京・台場で少年たちのグループの抗争があり、一人が刃物で背中を刺され死亡する事件が起きた。直後に現場で目撃された車から、運転者の風間智也に容疑がかけられた。東京湾臨海署(ベイエリア分署)の安積警部補は、交通機動隊の速水警部補とともに風間を追うが、彼の容疑を否定する速水の言葉に、捜査方針への疑問を感じ始める。
やがて、二人の前に、首都高最速の伝説を持つ風間のスカイラインが姿を現すが…。興奮の高速バトルと刑事たちの誇りを描く、傑作警察小説。
9.『陽炎 東京湾臨海署安積班』(2000年)
短編集
<あらすじ>
東京湾にまたがるレインボーブリッジで、乗り捨てられている車が発見された。乗用車には、男女の連名で遺書らしきものが遺されていた。東京湾臨海署・刑事課強行犯係の安積警部補は、指令を受け、部下の須田と黒木を現場に向かわせる。果たして、追い込まれた男女の心中事件なのか?だが、現場から戻った須田刑事からは、『偽装心中』という意外な言葉が―。
須田の仮説を信じる安積たちは、謎に包まれた事件の真相に辿り着けるのか!?(「偽装」より)。
表題作を始めとする八編を収録した、大好評新ベイエリア署シリーズ待望の刊行。
10.『最前線 東京湾臨海署安積班』(2002年)
短編集
<あらすじ>
東京・お台場のテレビ局に出演予定の香港映画スターへ、暗殺予告が届いた。東京湾臨海署の安積警部補らは、スターの警備に駆り出されることになった。だが、管内では、不審船の密航者が行方不明になるという事件も発生。安積たち強行犯係は、双方の案件を追うことになる。やがて、付近の海岸から濡れたウェットスーツが発見され、密航者が暗殺犯の可能性が―。
安積たちは、暗殺を阻止できるのか。(「暗殺予告」より)
11.『半夏生 東京湾臨海署安積班』(2004年)
<あらすじ>
東京お台場のビルの狭間で、アラブ系と思われる外国人男性が倒れているのが発見された。事件性の疑いはないと考えられたが、男性は原因不明の高熱を発し、間もなく死亡。それを機に、東京湾臨海署の安積班にただならぬ空気が流れはじめる―本庁公安部が動きだしたのだ。海外からウイルスを持ち込んだバイオテロなのか?
地域・道路封鎖に奔走する安積たちの不安をよそに、事態はさらに悪化の気配を見せはじめた!
12.『花水木 東京湾臨海署安積班』(2007年)
短編集
<あらすじ>
五月も終わりかけた東京湾臨海署に喧嘩の被害届が出された。ささいな喧嘩でなぜ、被害届が?疑問を抱く安積班の須田は、事件に不審な臭いを感じ取る。だが、その頃、臨海署管内に殺人事件が発生。殺された被害者からは複数に暴行を受けたらしい痕跡が…。
殺人事件の捜査に乗り出す安積たちだったが、須田は、傷害事件を追い続けることに―。それぞれの事件の意外な真相とは!?(「花水木」より)
五編を収録した新ベイエリア分署・安積班シリーズ、待望の文庫化。
13.『夕暴雨 東京湾臨海署安積班』(2010年)
<あらすじ>
東京湾臨海署管内で大規模イベントへの爆破予告がネット上に流れた。安積警部補率いる班と相楽班は警戒警備にあたるが、爆破は狂言に終わる。だが再び、翌週のコミックイベントへの爆破予告がネット上に書き込まれた。前回と違う書き込みに、予告の信憑性を訴える須田刑事。須田の直感を信じた安積は、警備の拡大を主張するが、相楽たちの反発をうけてしまう。迫り来るイベントの日。安積班は人々を守ることができるのか
異色のコラボが秘められた大好評シリーズ、待望の文庫化。
14.『烈日 東京湾臨海署安積班』(2010年)
短編集
<あらすじ>
新しく庁舎が建てられた東京湾臨海署の刑事課に、新たな刑事が配属された。安積班にやって来たのは水野真帆という鑑識課出身の女性だった。歪に膨張した水死体を前にしても、怯む事なく捜査を進める水野。しかし、初任課で同期だった須田は彼女に対して何か思う所があるらしい。新顔の女性刑事は、安積班の一員として活躍する事が出来るのか―――(「新顔」より)。
安積、村雨、桜井、そして東報新聞社会部の女性記者・山口、それぞれの物語を四季を通じて描く、安積班シリーズ、待望の文庫化。
15.『晩夏 東京湾臨海署安積班』(2013年)
<あらすじ>
台風一過の東京湾で、漂流中のクルーザーから他殺体が発見された。遺体が発見された船室には鍵が掛っていて……。東京湾臨海署・強行犯第一係の安積警部補らは、被害者の身元確認を始める。一方、第二係の相楽たちは、前日に開かれた新木場でのパーティーで発見された、変死体の事件を追っていた。
どちらも捜査が滞る中、重要参考人として身柄を確保されたのは、安積の同期で新友の速水直樹警部補だった――。
安積は速水の無罪を晴らすことができるのか! ?
16.『捜査組曲 東京湾臨海署安積班』(2014年)
短編集
<あらすじ>
お台場のショッピングセンターで、放火との通報が入った。安積班のメンバーが臨場した時には、警備員がいち早く消火活動を始めたので一大事にならずに済んだ。警備員に話を聞いた須田は、何か考え込んでいるようで……。三日後、またしても同じショッピングセンター内で、強盗未遂事件が起きる――。珍しく須田が、この事案をやらせてくれと安積に頼むが……(「カデンツァ」より。)
安積班のメンバーをはじめ、強行犯第二係長・相楽、鑑識係・石倉、安積の直属の上司・榊原がそれぞれの物語を音楽用語になぞらえて描く、安積班シリーズの最新短篇集、待望の刊行。
17.『潮流 東京湾臨海署安積班』(2015年)
<あらすじ>
東京湾臨海署管内で救急搬送の知らせが三件立て続けに入り、同じ毒物で全員が死亡した。彼らにつながりはなく、共通点も見つからない。テロの可能性も考えられるなか、犯人らしい人物から臨海署宛に犯行を重ねることを示唆するメールが届く――。
強行犯第一係長・安積警部補は過去に臨海署で扱った事件を調べることになり、四年半前に起きた宮間事件に注目する。拘留中の宮間は、いまだ無罪を主張しているという。安積は再捜査を始めようとするが…。
18.『道標 東京湾臨海署安積班』(2017年)
短編集
<あらすじ>
東京湾臨海署刑事課強行犯第一係、通称「安積班」。そのハンチョウである係長・安積剛志警部補の歩んできた人生とは警察学校や交番勤務時代、刑事課配属から現在の強行犯第一係長に至るまで、安積剛志という一人の男の歴史をたどる短篇集。
安積班おなじみのメンバー、村雨、須田、水野、黒木、桜井、そして安積の同期、交通機動隊小隊長・速水の若かりし頃や、鑑識・石倉との最初の出会いなど「安積班」ファンにも見逃せない一冊がここに誕生!
19.『炎天夢 東京湾臨海署安積班』(2019年)
<あらすじ>
グラビアアイドル・立原彩花の死体が江東マリーナで発見され、近くのプレジャーボートで被害者のものと思われるサンダルが見つかった。船の持ち主は、立原が愛人との噂がある芸能界の実力者、プロダクションサミットの柳井武春だという…。
芸能界の闇に、安積班が立ち向かう!
20.『秋麗 東京湾臨海署安積班』(2022年)
最新刊
<あらすじ>青海三丁目付近の海上で遺体が発見される。身元は、かつて特殊詐欺の出し子として逮捕された戸沢守雄という七十代の男だった。
安積たちが特殊詐欺事件との関連を追う中、遺体発見の前日に戸沢と一緒にいた釣り仲間の猪狩修造と和久田紀道に話を聞きに行くと、二人とも何かに怯えた様子だった。
何らかの事情を知っていると踏んだ安積たちが再び猪狩と和久田の自宅を訪れるも既に誰もおらず、消息が途絶えてしまう……。
番外編
『安積班読本』(2009年)
一九八八年から現在まで書き続けられている人気警察小説・安積班シリーズ。
著者・今野敏氏のインタビューから迫る安積班のルーツや、登場人物紹介、全作品解説、安積班マップなど、シリーズの魅力を余すところなく網羅。
さらに文庫初の特別短編『境界線』を収録。
安積班の特集本です。
特別短編『境界線』も収録され、ファンなら読んでおきたい一冊。
ドラマ版「安積班シリーズ」
2009年~2011年に『ハンチョウ〜神南署安積班〜』として、TBS制作でドラマ化されています。
『ハンチョウ〜神南署安積班〜』(2009~2011)
佐々木蔵之介さんが安積班長を演じます。
まとめ
それではおさらいします。
- 『二重標的(ダブルターゲット)―東京ベイエリア分署』
(1988年) - 『虚構の殺人者―東京ベイエリア分署』
(1990年) - 『硝子の殺人者―東京ベイエリア分署』
(1991年) - 『蓬莱』
(1994年) - 『イコン』
(1995年) - 『警視庁神南署』
(1997年) - 『神南署安積班』
(1998年) - 『残照』
(2000年) - 『陽炎 東京湾臨海署安積班』
(2000年) - 『最前線 東京湾臨海署安積班』
(2002年) - 『半夏生 東京湾臨海署安積班』
(2004年) - 『花水木 東京湾臨海署安積班』
(2007年) - 『夕暴雨 東京湾臨海署安積班』
(2010年) - 『烈日 東京湾臨海署安積班』
(2010年) - 『晩夏 東京湾臨海署安積班』
(2013年) - 『捜査組曲 東京湾臨海署安積班』
(2014年) - 『潮流 東京湾臨海署安積班』
(2015年) - 『道標 東京湾臨海署安積班』
(2017年) - 『炎天夢 東京湾臨海署安積班』
(2019年) - 『秋麗 東京湾臨海署安積班』(2022年)
今野敏「安積班シリーズ」の読む順番は以上のようになります。
非常に長いシリーズですが、個性的な主人公とキャラクターたちがが大活躍する本シリーズ。どれも一気読み必至の面白さですので、ぜひ読破してみてくださいね。
それでは、良い読書体験を!
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