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宮部みゆきさんの膨大な作品群の中に、短編集も数多くあります。
どの短編も抜群の切れを誇り、短編も名手のうちに入るでしょう。
そんな宮部みゆき短編集から、10作を選りすぐりましたので1位から紹介していきます!
宮部みゆき 短編集・短編小説おすすめ10作ランキング
1.『宮部みゆき よりすぐり短篇集』(2019年)
<あらすじ>傑作は、いつ読んでも、何度読んでも素晴らしい――。
収録作はあらゆるジャンルを網羅した「サボテンの花」「雪娘」「10年計画」「朽ちてゆくまで」「たった一人」「邪恋」「ばんば憑き」「片葉の芦」「神無月」「地下街の雨」「淋しい狩人」「刑事の財布」の計12篇。
初心者は納得の、ファンには目から鱗な読みどころポイントを押さえた作品集。
電子書籍限定の作品集です。
ハイレベルな短編ばかりを収録し、かつ宮部みゆきの短編世界をじっくり楽しみたいという入門編的な作品集でもあり、1位に推しました。
特に「サボテンの花」は名作短編。宮部みゆきを読むなら外せない短編作品です。
2.『ステップファザー・ステップ』(1993年)
<あらすじ>
中学生の双子の兄弟が住む家に落っこちてきたのは、なんとプロの泥棒だった。そして、一緒に暮らし始めた3人。まるで父子のような(!?)家庭生活がスタートする。次々と起こる7つの事件に、ユーモアあふれる3人の会話。
宮部みゆきがお贈りする、C・ライス『スイート・ホーム殺人事件』にも匹敵する大傑作!
やや重めの多い作品の多い宮部みゆきにしては、こちらは軽めのストーリー。ライトミステリーを読んでみたいという方におすすめです。
3.『おそろし 三島屋変調百物語事始』(2008年)
時代物
<あらすじ>
17歳のおちかは、実家で起きたある事件をきっかけに心を閉ざした。今は江戸で袋物屋・三島屋を営む叔父夫婦の元で暮らしている。三島屋を訪れる人々の不思議話が、おちかの心を溶かし始める。百物語、開幕!
宮部みゆきさんは時代小説の名手でもあります。
こちらは時代物かつ怪談といった作風で、「三島屋シリーズ」としてシリーズ化されています(こちらが第一作)。少し怖い小説を読んでみたいという方はぜひ。
三島屋シリーズについては以下の記事にまとめています。
関連記事>4.『返事はいらない』(1991年)
<あらすじ>
失恋からコンピュータ犯罪の片棒を担ぐにいたる微妙な女性心理の動きを描く表題作。『火車』の原型ともいえる「裏切らないで」。切なくあたたかい「ドルシネアにようこそ」など6編を収録。
日々の生活と幻想が交錯する東京。街と人の姿を鮮やかに描き、爽やかでハートウォーミングな読後感を残す。宮部みゆきワールドを確立し、その魅力の全てが凝縮された山本賞受賞前夜の作品集。
こちらはほっこりするような作品が詰まった短編集。ハートフルな物語を読みたいという方におすすめしたいです。
5.『我らが隣人の犯罪』(1990年)
<あらすじ>
僕は三田村誠。中学1年。父と母そして妹の智子の4人家族だ。僕たちは念願のタウンハウスに引越したのだが、隣家の女性が室内で飼っているスピッツ・ミリーの鳴き声に終日悩まされることになった。僕と智子は、家によく遊びに来る毅彦おじさんと組み、ミリーを“誘拐”したのだが…。
オール讀物推理小説新人賞を受賞した表題作以下「この子誰の子」「サボテンの花」「祝・殺人」「気分は自殺志願」の計5篇を収録。
デビュー作となったオール讀物推理小説新人賞受賞作『我らが隣人の犯罪』が収録されています。
宮部みゆきの原点が垣間見える作品集です。
6.『長い長い殺人』(1992年)
<あらすじ>
轢き逃げは、じつは惨殺事件だった。被害者は森元隆一。事情聴取を始めた刑事は、森元の妻・法子に不審を持つ。夫を轢いた人物はどうなったのか、一度もきこうとしないのだ。隆一には八千万円の生命保険がかけられていた。しかし、受取人の法子には完璧なアリバイが…。刑事の財布、探偵の財布、死者の財布―。
“十の財布”が語る事件の裏に、やがて底知れぬ悪意の影が。
十人が持つ十の財布を扱った短編集。これが最後にどう繋がっていくのか。さすがの手腕で唸らせる結末を迎えます。
7.『淋しい狩人』(1993年)
<あらすじ>
中東京下町、荒川土手下にある小さな共同ビルの一階に店を構える田辺書店。店主のイワさんと孫の稔で切り盛りするごくありふれた古書店だ。しかし、この本屋を舞台に様々な事件が繰り広げられる。平凡なOLが電車の網棚から手にした本に挟まれていた名刺。
父親の遺品の中から出てきた数百冊の同じ本。本をきっかけに起こる謎をイワさんと稔が解いていく。ブッキッシュな連作短編集。
古本屋を舞台に繰り広げられる短編集。
さまざまな事件が起きていきますが、鮮やかに謎を解いていく過程に気持ちよさを感じます。
8.『心とろかすような―マサの事件簿』(1997年)
<あらすじ>
元警察犬で現在は蓮見探偵事務所の用心棒ならぬ用心犬・マサが、加代ちゃんやその家族、前作で亡くなった高校野球のヒロー諸岡克彦の弟・進也も加わった面々と活躍する、マサの語る事件簿をこれも新装版で。「心とろかすような」、「てのひらの森の下で」、「白い騎士は歌う」、「マサ、留守番する」、「マサの弁明」の五編を収録。
「元警察犬・マサ」シリーズの2作目に当たります。
犬が大活躍するので、犬好き・動物好きな方はぜひ手に取ってみてください。もちろん、そうでない方も充分楽しめます。
また、前作『パーフェクト・ブルー』を含む「犬小説」を以下の記事で紹介しています。
関連記事>9.『人質カノン』(1996年)
<あらすじ>
「動くな」。終電帰りに寄ったコンビニで遭遇したピストル強盗は、尻ポケットから赤ちゃんの玩具、ガラガラを落として去った。事件の背後に都会人の孤独な人間模様を浮かび上がらせた表題作、タクシーの女性ドライバーが遠大な殺人計画を語る「十年計画」など、街の片隅、日常に潜むよりすぐりのミステリー七篇を収録。
第115回直木賞候補作でもある本作。
人の心を巧みに描く宮部みゆきならではのストーリーテリングが光ります。
なお、直木賞受賞作『理由』を含む候補作については、以下の記事で紹介しています。
関連記事>10.『初ものがたり』(1995年)
時代物
<あらすじ>
鰹、白魚、鮭、柿、桜…。江戸の四季を彩る「初もの」がからんだ謎また謎。本所深川一帯をあずかる「回向院の旦那」こと岡っ引きの茂七が、子分の糸吉や権三らと難事件の数々に挑む。夜っぴて屋台を開いている正体不明の稲荷寿司屋の親父、霊力をもつという「拝み屋」の少年など、一癖二癖ある脇役たちも縦横無尽に神出鬼没。
人情と季節感にあふれた時代ミステリー・ワールドへご招待!
最後にもうひとつ時代物を紹介。
岡っ引きの茂七が難事件、怪事件に挑みます。人情あふれた作品を読みたい方に。
なお、『<完本>初ものがたり』は新作3編を含んだ完全版になります。
まとめ
それではおさらいします。
- 『宮部みゆき よりすぐり短篇集』
(2019年) - 『ステップファザー・ステップ』
(1993年) - 『おそろし 三島屋変調百物語事始』
(2008年) - 『返事はいらない』
(1991年) - 『我らが隣人の犯罪』
(1990年) - 『長い長い殺人』
(1992年) - 『淋しい狩人』
(1993年) - 『心とろかすような―マサの事件簿』
(1997年) - 『人質カノン』
(1996年) - 『初ものがたり』
(1995年)
本格的なミステリー、人情、ほっこり、心の闇…さまざまなジャンルやテーマを扱い、「人間」に迫っていく宮部みゆき。短編だからこそ、その切れ味は凄みを増します。
短編の数も多いですが、まずは今回紹介した作品集を読んで、気に入ったらどんどん他の作品にも手を広げていきましょう!
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